*['60-'70 ロック] Andy Fairweather Low / Be Bop ‘N’ Holla (A&M / 1976)
元エイメン・コーナー、クラプトンのサイド・ギタリストとしても著名なアンディ・フェアウェザー・ロウ。クラプトンの最後に行ったライブでは、往年の名曲”Gin House”(エイメン・コーナーのヒット)を歌わせてもらってました。この1曲だけでも元が取れたと思ったけれど(笑)
アンディのソロはどれも素晴らしいのだけれど、A&Mのグリン・ジョンズ・プロデュースの2作は特に外れ無し。アーシーなイギリス風味のAORといった風情で、ギャラガー&ライルの同時期盤と姉妹作のような。そう、グレアム・ライルと同じく、アコースティックのみならずソウルっぽい曲も書ける人なんですよね。しかもメロディも珠玉。メロディ・メイカーということでいえば、クラプトンとかジョージ・ハリスンなんかよりも上だと思うんですが、なぜか小粒に思われているのが悲しい。ティナ・ターナーなどのヒットメイカーとして名を馳せるグレアム・ライルと比べ、シングルヒットが少なかったからなのか。
こちらは昨日入手したソロ3枚目『Be Bop ‘N’ Holla』のイギリス盤。別ジャケのアメリカ盤は持ってるしいいかな、とも思ったけれど、イギリスらしい曇ったシンプルなジャケットに惹かれて。聴いてみると、カッティングの違いもあるのか、いいですね~ジャケもゲイトフォールドになっている。
カリビアンAORのような”Shimmie-Doo-Wah-Sae”の言葉遊び感覚とか、ヴァレリー・カーターが『Wild Child』で取り上げた必殺”Da Doo Rendezvous”、英国スワンプ感満載の苦み走った”Rocky Raccoon”(ビートルズのカバーですね)…いやはや悶絶。”Rocky Raccoon”にはグリン・ジョンズ繋がりかイーグルス脱退直後のバーニー・リードンがアコギとボーカルで参加。イーグルスのファーストはグリン制作のイギリス録音だったわけだけれど、今度はその意匠を借りてイギリス人が作ったのが本作というわけ。内ジャケ写真の大々的な配置を見る限り、アメリカへの憧憬があるアンディにとって、バーニーの参加は嬉しかったのでは?そう、余り語られていないけれどマイナー調のジャジーな美メロ”Rhythm ‘N’ Jazz”にはジョージー・フェイムも加わっている。
ちなみにアメリカ盤はこんな感じ。