いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Nanci Griffith / Storms(MCA / 1989)

markrock2019-01-24


LPを発見。懐かしくて手に取ってしまった。ナンシー・グリフィスの1989年作。1994年にグラミーのコンテンポラリー・フォーク・アルバムを受賞した『Other Voices, Other Rooms』が何と言ってもインパクトがあった。高校生の頃、リアルタイムで沢山アルバムを聴いていた記憶が蘇る。デビューは以外に古くて1978年。ファースト『There's a Light Beyond These Woods』はテキサス・オースティンのローカル・レーベルB.F. Deal Recordsからのリリース。実は芸歴の長い人で、この『Storm』で8作目。バックを務め、2曲を共作するジェイムス・フッカーはマッスル・ショールズのフェイム・スタジオのリズム・セクションに加わり、後にアメイジング・リズム・エイシズを結成した人物。ファーストでもカバーしている、テキサスのローカル・ミュージシャン、エリック・テイラーの作品がタイトル曲("Storms")になっている。このアルバム、プロデュースはあのグリン・ジョンズ御大。だから、という感じだけれど、イーグルス初期のメンバー、バーニー・リードンがギターやマンドセロ、コーラスで参加。さらにエヴァリー・ブラザーズのフィル・エヴァリーが”You Made This Love A Teardrop”で素敵なハーモニーを付けている。そのエヴァリーズのバックを80年代の再結成時に務めていた名手アルバート・リーのハーモニー参加もある。そして何より、小声でつぶやくようなナンシーの独特の歌声に癒される。音楽にはっきりとした言葉を聴きたい今日この頃ではある。