いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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[NEW!!]極北ラジオ石浦昌之の「哲学するタネ」が書籍化されました。 『哲学するタネ【東洋思想編】――高校倫理が教える70章』(石浦昌之 著)2018年9月発売!! ●石浦昌之著 ●定価:本体2500円+税 ●A5判(並製)384頁
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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)いよいよ発売!!

*[日本のフォーク・ロック] 加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)いよいよ発売!!

 

古井戸の加奈崎芳太郎が自らの音楽人生と日本のポップミュージックの歴史を30万字にわたって語り尽くすファン垂涎の一冊、『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』明月堂書店)、9月下旬から書店に並びます。ジャパニーズ・ポップスのルーツを紐解けば「URC」・「エレック」という二大インディーズに辿り着く。もはや業界のマジョリティとなった「URC史観」を覆す「エレック史観」を世に問うたこの大著、芽瑠璃堂トピック(https://merurido.jp/topic.php?srcbnr=34880)でも取り上げて頂いたけれど、amasshttp://amass.jp/125055/)はじめニュースサイトでも告知が出て反響が大きくなっているところ。いやはや、仲井戸麗市(チャボ)との古井戸以来・キャリア50周年の音楽人生を囁いた、ジャパニーズ・ポップス史の貴重なミッシング・リンクですよ! 成功の陰に加奈崎(カナヤン)あり!全人類が身につまされるエピソード満載!単なる音楽本の域を超えた人生哲学書であります。まさに事実は小説より奇なり?!

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 不肖私は編集および付録の全アルバム解説で関わらせて頂いたのだが、1年未満という短い期間で完成できたのは、加奈崎さんご本人の全面的なご協力と、入魂の編集・校正・デザインを一手に引き受けたスーパー編集者・明月堂書店の杉本健太郎さんの手腕によるもの。そして、信州はエルシーブイFMの人気ラジオ番組「加奈崎芳太郎DIG IT!!」のプロデューサーで元ミュージシャン、軽妙なツッコミが絶妙なPコバさんこと小林秀美さん、ディレクターのDメグちゃんこと原田恵さん(異動が残念…)、そして加奈崎愛で全てを包み込む放送作家の石城正志さんという強固なタッグ、20148月にスタートした番組の音声データを快く提供してくれたファンクラブ会長の渡邊薫さん、本にキョーレツなインパクトを与える写真を撮った写真家の桑畑恒一郎さん(たまたま私と同じ三鷹在住、写真の受け渡しでは助けられました!)のご協力がなければ完成し得なかった。また、吉田拓郎を輩出した広島フォーク村初代会長で古井戸のプロデューサー伊藤明夫さんには加奈崎さんとの貴重な対談を掲載させてもらい、そして帯は加奈崎さんと古い付き合いのある泉谷しげるさんが! そもそも裏方として古井戸をデビューさせるために業界に入った泉谷さん、2009年には加奈崎さんと共著で『ぼくの好きなキヨシロー』WAVE出版)を出版してもいる。

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ところで編集の杉本さんは私の一つ上の大学の先輩。共に90年代半ばにNHK-BSアルフィー坂崎幸之助さんの番組で加奈崎さんを知り、今は亡き渋谷ジァンジァンでの加奈崎さんのライブに「追っかけ」として通っていたのだった。「最後の舎弟」を自称する(笑)我々はその頃20歳前後。二人が当時心酔していたのは加奈崎さんの盟友・忌野清志郎がプロデュースに加わった1991年リリースのアルバム『キッス・オブ・ライフ』(人工呼吸=起死回生の意)(トランジスターレコード)。いま、あの時の加奈崎さんと同じ40代になり、今回の本のタイトル案は『キッス・オブ・ライフ』でいこう、と一瞬で意見は一致した。

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今年の2月にはアルフィー坂崎幸之助さんのフジテレビNEXTの番組「お台場フォーク村」に加奈崎さんがゲスト参加し、ももいろクローバーZと共演していたけれど、あの頃から20年を経て、時代が再び循環している感がある。そう、そもそも2015年に仲井戸麗市(チャボ)さんと加奈崎さんが奇跡の古井戸再会ライブを演り、それを観るために杉本さんとそれこそ久々の再会。編集者になっていた杉本さんの手引きで私が哲学の本(『哲学するタネ』)を出版することになり、それを加奈崎さんに献呈したことから今回の書籍プロジェクトがスタートしたのだった。それにしても、不思議な縁を感じずにはいられない。小学生の頃に父が買ってきた忌野清志郎タイマーズ」のアブないシングル、中でも一番のお気に入りだった「3部作」に加奈崎さんがリズムギターで参加していたことを後に知り、驚いた。14歳、中学2年生の時に自分の意思で初めて行ったライブは泉谷しげる嘉門タツオのジョイント。2人とも本書に見出し付で登場する。だから、20歳になって、サングラスに黒ずくめ、爆音でかき鳴らすギブソン・チェットアトキンス片手に吼えまくる生・加奈崎を観た時には、表現することの根源を晒すという自分が音楽に求めるイデア=理想そのものに辿り着けた感触があった。そのときの感動の手触りのようなものは本書の制作中も消えることはなかった。

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今年の10月には札幌・共済ホールにて、古井戸の相棒・仲井戸麗市(チャボ)さんや、新バンド「今池アクシデンツ」のメンバーなどが参加し、キャリアを総括する加奈崎芳太郎50周年記念コンサート(https://sapporo-community-plaza.jp/artculture_event.php?n=90582)が予定されている。いちファンとして、音楽に関わってきた者の一人として、70歳の古希を迎えた加奈崎芳太郎を語り継ぐ番がとうとうやって来たのだと思っている。書籍(ファンクラブに入会すれば未発表音源付の特典CD-R付属!)と共に、加奈崎さんが作ってきた音楽はもちろん、今も続く毎週木曜深夜24:0025:00に囁かれる(吼えている?)純度の濃いエルシーブイFMhttp://lcvfm769.jp/)の番組「DIG IT!!」をチェックしてもらえたら、何よりも嬉しい。

 

■『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』

加奈崎芳太郎・著

 

A5判上製・416

定価(本体価格3000円+税)

ISBN978-4-903145-69-3 C0073

 

<内容>

エルシーブイFMの人気番組「加奈崎芳太郎DIG IT!!」初の書籍化!

 

2019年にデビュー50周年を迎えた古井戸の元・メンバー加奈崎芳太郎が自らの音楽人生と日本のポップミュージックの歴史を30万字にわたって語り尽くすファン垂涎の一冊。 70年代初頭、古井戸のエレックレコード時代を証言する伊藤明夫(広島フォーク村初代村長)との対談も収録。吉田拓郎仲井戸麗市泉谷しげる忌野清志郎らとの数々のエピソードが初めて明かされる。

ビートルズのどこを見てるンだ!? このくだりの描写が素晴らしい! かなやんスゴイ!(泉谷しげる)。

 

【目次】

一章 俺の「心の師匠」

デビュー50周年とラジオ/俺にとって衝撃だった音楽 /俺の心の大師匠、レイ・チャールズジョー・コッカージョン・レノンヴァン・モリソン

二章 「古井戸」の時代

「古井戸」結成 /初期の古井戸がカバーしていた曲 /加藤和彦さんとフォークルのこと /古井戸時代のライブ音源/吉田拓郎さんと初期エレック/泉谷しげるのこと/大滝詠一と『ナイアガラ・ムーン』のこと/シュガー・ベイブの『SONGS(ソングス)』/エレック倒産と「カメカメ合唱団」/佐藤公彦(ケメ)のこと/最後のスタジオアルバム『サイド・バイ・サイド』/ ソロアルバム『愛がもしすべてなら』『風の生き方』/仲井戸麗市(チャボ)のこと/村八分山口冨士夫ちゃんのこと/森田童子のこと/山崎ハコちゃんのこと/嘉門タツオのこと

三章 加奈崎ソロの時代

忌野清志郎との共同作業/竹中直人のアルバム『シエスタ?』のこと/K2ユニット(加奈崎芳太郎・生田敬太郎)の時代/『DEMO TAPE Ⅰ』/『DEMO TAPEⅡ』/『DEMO TAPEⅢ』『加奈崎芳太郎UNIT DEMO』/『キッス オブ ライフ(Kiss of Life)』/『SING YOUR LIFE(シング ユア ライフ)』 /クリスマスアルバム『冬の夜の深さについて』/Grand Arm『海賊盤』・『さらば東京』/『1999.12.22 JeanJean Last Solo Night』・『古井戸2000』・『レッツ・ゴー・アンダーグラウンド』/『青空』/『Piano–Forte(ピアノ・フォルテ)』/『加奈崎芳太郎 with 今池アクシデンツ』

四章 加奈崎、英米ロックを語る

スティーヴ・ウィンウッドザ・ビートルズポール・マッカートニーCSN&Yイーグルスモンキーズジミ・ヘンドリックスブルース・スプリングスティーンピーター・ガブリエルボブ・ディラン/CCR/ドアーズ/俺が影響を受けた女性シンガーたち

【対談】

伊藤明夫(広島フォーク村初代村長)×加奈崎芳太郎

【付録】

古井戸/加奈崎芳太郎 全アルバム解説 石浦昌之

 

<著者プロフィール>

加奈崎 芳太郎(かなざき・よしたろう)

1949(昭和24)年29日、北海道札幌市生まれ。仲井戸麗市と共に古井戸で71年にエレックレコードよりデビュー。比類なき声量のボーカルとブルージーなギターが絡み合うサウンドが人気を博し、「さなえちゃん」、「ポスターカラー」がヒット。全国を回った「唄の市」でフォーク・ブームの一翼を担う。以後、渋谷ジァン・ジァンをホーム・グラウンドに79年のバンド解散までに9枚、以後14枚のアルバムを世に送り出す。忌野清志郎と手がけた映画『119』オリジナル・サウンド・トラック95年に日本アカデミー賞・最優秀音楽賞受賞。97年には長野県・諏訪市に移住し、エルシーブイFM769で「加奈崎芳太郎DIG IT!!」パーソナリティーを担当。19年に音楽活動50周年を迎えた。著書に泉谷しげるとの共著『ぼくの好きなキヨシロー』(WAVE出版、2009年)がある。

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Jimmy Webb / Slipcover

*[SSW] Jimmy Webb / Slipcover (BMG / 2019)

 

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全く話題になる気配がないけれど(笑)、ジミー・ウェッブの新作。20年前、あの日のジミー・ウェッブ・ファンは今どこで、何をしているのだろう? 2000年代に入って再びシンガー・ソングライター・モードに入っていたから、完全な自作による新作歌モノを期待していたけれど、1曲を除き自作ではない70年代SSW/ロックをピアノ・インストで聴かせると知って当初面食らった。それでも、ジミーのソロ・アルバムで聴ける、まるで歌っているかのような味わいのあるピアノを思い浮かべつつ、ちょっと期待もしていたのだけれど…これがマコトに素晴らしかった! 冒頭ストーンズ『Sticky Fingers』の”Moonlight Miles”からして、どこを切り取ってもジミー節としか言いようが無い、エモーショナルかつヒューマン・ビートで綴られた繊細なピアノ・サウンド。不覚にも心を揺さぶられてしまった。2曲目は”God Only Knows”でしょう…ジミーがデビューしたプロジェクト、ストロベリー・チルドレンのシングル”Love Years Coming”にも多大な影響を与えている曲。ここまで来ると、歌など必要ないと思えてくる。f:id:markrock:20190726010807j:plain

そもそもジミーがランディ・ニューマン邸でピアノを披露したところ、ピアノ・ソロでアルバムを作ることをランディに勧められたのだという。彼の見立ては正しかった。そのランディ・ニューマンの”Marie”、ウォーレン・ジヴォン”Accidentally Like A Martyr”、ジョニ・ミッチェル”A Case Of You”、ビリー・ジョエル”Lullabye(Goodnight, My Angel)”、レフト・バンク(マイケル・ブラウン)”Pretty Ballerina”、スティーヴィー・ワンダー”All In Love Is Fair”、ビートルズポール・マッカートニー)”The Long And Winding Road”、サイモン&ガーファンクルポール・サイモン)”Old Friends”…ジミーが60~70年代にしのぎを削ってきた戦友のようなミュージシャンたちの楽曲を心をこめて演奏する。ジミー自身の名曲”The Moon Is A Harsh Mistress”もとりわけ素晴らしかった。

 

自身によるライナーではレッキング・クルーのラリー・ネクテル(ジミーが手がけたフィフス・ディメンションのレコーディングに参加している)やフロイド・クレイマーのピアノ・プレイへの賛辞を惜しまない。「音楽のロマンスは60年代には生きていた」…という指摘は、現代のポピュラー音楽への批評とあきらめを含んでいるけれど、それには同意するほか無い。初のピアノ・ソロ・アルバムは本当の自分だ、と言わんばかりに、ジャケットはジミー自身によるイラストだった。

Doris Day / Doris Day’s Greatest Hits

*[ボーカル] Doris Day / Doris Day’s Greatest Hits (Columbia / 1962)

 

ドリス・デイ、そういえば今年5月に97歳(!)で天に召されましたが。米コロムビアからリリースされたDoris Day’s Greatest Hits三鷹パレードさんで見つけたので買ってみた。1958年にモノでリリースされたものを1962年に擬似ステレオにしたもの。2eyesの米オリジナル。ステレオのボリュームを上げると、音は素晴らしかった。どこか別世界に連れて行かれるような感じ。弦の響きとか、もう至福。裏ジャケはボーカル・ブースに入るドリス。それにしても初っ端の一声でピッチを外さない。日本のテレビの音楽番組なんかを見るとピッチが悪すぎて3秒で消したくなってしまうのと…比べてはいけないか。歌手なら当たり前、と思われるかもしれないけれど…。曲によってはガール・ポップとして聴けなくもない。ところで彼女の一番の代表曲「ケ・セラ・セラ」は”Whatever Will Be, Will Be”の題でクレジットされている。「なるようになる」とうそぶくほかない、狂ったご時勢だけれど、音楽だけが傍にいてくれる。

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Blue Rose / Same

*['60-'70 ロック]  Blue Rose / Same (Epic / 1972)

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60年代や70年代のレコードを中心に聴き続けているけれど、まだまだ知らない盤がある。70年代初頭のエピックは1枚きりの無名バンドのレコードを沢山出していて、その殆どが当たり、ということに最近気がついた。これもそんな一枚で、ブルー・ローズというバンドのレコード。「青いバラ」ですから「存在し得ないもの」の喩え。このバンドの実態は、ソングライターのテリー・ファーロングがLAのセッションメン、レッキングクルーの流れを汲むマイケル・オマーティアン(本盤ではマイク・オマーティアン名義)と共に作り上げたソングライター・デモのようなものにも思える。A面1曲目の”My Impersonal Life”というのが本当に素晴らしい楽曲で、スリー・ドッグ・ナイトが1971年のアルバム『Harmony』の2曲目、”Never Been To Spain”と”An Old Fashioned Love Song”の間に挟まれて収録されていた。テリー・ファーロングの楽曲はブルージーでソウルフルでありながら、メロウなLAポップスの伝統に加えたもので、70年代初頭のスワンピー・ポップの王道をいくもの。スリー・ドッグ・ナイトに採り上げられたのも頷ける。演奏にはハーヴィー・マンデルが熱いソロを弾いている曲もあり、ジム・プライスのレコードで演奏していたベースのジョン・ユーライブのクレジットも。その他のバンドメンバーにはゲイリー・ニコルソンやジム・エド・ノーマンとアンクル・ジムズ・ミュージックを組んでいたドラマーのゲイリー・ステュ(ロジャー・トロイのジェリーロールのメンバーでもあった)もいる。アコギと分厚い弦とコーラスで綴られる”Chasin’ The Glow Of A Candle”はスプリングスティーンが新作でやろうとしたような、ある種エキセントリックなLAカルト・ポップスだと思う。f:id:markrock:20190720141102j:plain

Buzz Rabin / Cross Country Cowboy

*[SSW] Buzz Rabin / Cross Country Cowboy (Elektra / 1974)

 f:id:markrock:20190707172300j:plainリンゴ・スターのカントリー好きは有名だけれど、それというのも、ロカビリーの中にふんだんに含まれているカントリー/ヒルビリー成分に感化されていたということだろう。リンゴ同様、カール・パーキンスをレスペクトしていたジョージ・ハリスンだって同じだった。とはいえ、ビートルズ解散後のある種の全盛期(1970年)にナッシュビル録音のカントリー・アルバムをリリースしたというのは結構挑戦だと思うし、道楽性があったのかもしれない。そのアルバム『Beaucoups of Blues』のタイトル曲を作ったのがこのバズ・レビンという人。ルイジアナ生まれのロデオ・ライダーでDJ、そしてヒット・ソングライターだと紹介されている。その”Beaucoups of Blues”のセルフカバーを含む本作はエレクトラからリリースされた彼の唯一作。リンゴのアルバム・タイトル曲を提供したことは彼にとって嬉しいことだったはず。プロデュースはリンゴ同様、ピート・ドレイク。クレジットを眺めるとウォッシュ・ボード(スクラブ・ボード)にリンダ・ハーグローヴの名が見える。音はむちゃくちゃ鄙びている。ブルーグラスっぽいのもあったり。ジム・エド・ブラウンに提供した”Man And Wife Time”もある。タイトル曲の"Cross Country Cowboy "のイントロは"Mr.Bojangles"を髣髴とさせて。ウィスキーと葉巻を手に持つ酒場のバズはヒッピー世代のカントリー・ミュージシャンとしてかなりリアルな姿だったんじゃないだろうか。

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Willie Nelson / Willie Nelson’s Greatest Hits (& Some That Will Be)

*[カントリー] Willie Nelson / Willie Nelson’s Greatest Hits (& Some That Will Be) (Columbia / 1981)

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ウィリー・ネルソンですよ。現在御歳86歳ですか。この時からお爺ちゃんのような風貌だから、今もあまり見た目のイメージは変わっていない。カントリー・ミュージックには保守的なイメージがあるけれど、アメリカ人もジョニー・キャッシュやウィリー・ネルソンにはロックのそれと同じようなその範疇からはみ出るイメージがあるみたい。通称トリガーとして知られる穴の開いたガットギターを抱えて、リアルタイムで良いアルバムを出している。2000年代に入ってから毎回のように買っているけれど、2016年以降の近作4作(Willie Nelson Sings Gershwin』『God's Problem Child』『Last Man Standing、そして2018My Way)は特に恐ろしい完成度だと思う。もし明日あの世に行くなら、棺に入れますね(無理か)。

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普遍の伝統芸能の世界だが攻めている。カントリーだから変わらないと思いきや、その世界も結構流行り廃りがありまして。80年代に確立したウィリーの音作りの確かさなのだろう。ジャズとカントリーの折衷なんて、今思えば音楽的に何の不思議もないのだけれど、実はアメリカーナの先鞭だったわけですし。

 

 

で、これは1981年の2枚組のベスト盤。Stardustの大ヒットもあって、ひとつの地位を確立した頃。このレコードを買った理由はなんといってもジャケ(笑)。内容は非の付け所がないわけで。淡い油絵みたいなその雰囲気に80年代AOR的感性を見る。リアルでありながら、写真ではなくわざわざイラストにすることで、時を永遠に封じ込める。イラストは日系アメリカ人イラストレイター、グラフィック・デザイナーのブライアン・ハギワラ。ビリー・ジョエル『Streetlife Serenade』も彼の代表作のひとつだ。

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The New Colony Six / Revelations

*[ソフトロック] The New Colony Six / RevelationsMercury / 1968

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ニュー・コロニー・シックスといえば、60年代後半に活躍したシカゴ出身のソフト・ロック・バンド。ソフト・ロックといっても、60年代のマーキュリーのB級バンドのガレージ色も当然ある。Revelationsと題されたこのレコード、メンバーのロニー・ライスが書いた”I Will Always Think About You”ビルボード22位のヒットとなっている。彼らにとって3枚目のアルバムになる。改めて聴いてみると、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのジミー・ウェッブの線を行ったことがよくわかる。ジョニー・リヴァースみたいな、ね。しかし名曲じゃないですか!タイトルのRevelationsでふと思ったけれど、Revelationというジミー・ウェッブの曲ばかりをカバーしたバンドが同じマーキュリーから1969年にアルバムを出していたことを思い出した。たぶん関係はないけれど、イメージが繋がるのが面白い。”Dandy Handy Man”なんて曲はサージェント・ペパーズ風のファンキー・ソフト・ロックだったり、それぞれのメンバーが書いてくる曲はソフトロックの王道からカントリー風味のものまで、バラエティに富んでいる。何曲か書いているパット・マクブライド、ライトハウスのメンバーでソロも出しているボブ・マクブライドと勘違いしていた。ボブ・マクブライドはエリック・カルメンラズベリーズ以前にメンバーだったサイラス・エリーでベースを弾いていた。

 

 

しかしこういう子供だましバンドのレコード、大抵擦り切れているのはなぜだろう。