*[ソウル] Spyder Turner / Stand By Me ( MGM / 1968 )
昨日買ったレコで、一番はじめに聴き始めてみた。デトロイトで育ったソウル・シンガー、スパイダー・ターナーの代表作『Stand By Me』。本名はドワイト・D・ターナーで、スパイダーは彼につけられたニックネーム。”Stand By Me”はもちろんベン・E・キングの代表作で、ジョン・レノンもカバーしたあの曲。ジェイムス・ブラウンの”I Feel Good”やスモーキー・ロビンソンの”My Girl”、チャック・ジャクソン”Any Day Now”などの唄真似がこれでもかと織り込まれる楽しい仕上がり。サム・クックの”You Send Me”が織り込まれるあたりで、スパイダー・ターナーも演っていたドゥ・ワップ的階段コード進行の曲だなと改めて気付かされたり。このカバー・ヴァージョンは1968年にそこそこヒットして一躍時の人となった(ビルボード12位、R&Bは3位)。アルバムにはサム&デイヴ”Hold On I’m Coming”やジェリー・バトラー”Your Precious Love”といったソウル・ヒット・ナンバーに加え、”Moon River”や”Dream Lover”なんかも含まれていて、ビリー・スチュワートとか、ジャッキー・ウィルソンのような白人聴衆寄りのメロウなソウルを演じるイミテーターだったとわかる。ただ、スパイダー自身もそれに不満を感じたのか、後にノーマン・ウィットフィールドの元でレコードを作ることになる。アルバム『Stand By Me』で素晴らしいと感じたのはアップなノーザン・テイストの”I’m Alive With A Lovin’ Feeling”。「ヘヘイヘイ」とか言っちゃう、そっちの筋の人には堪らない楽曲。アルバムの全編アレンジはマイク・セオドアとデニス・コフィー!