*[フォーク] Steve Gillette / Alone…Direct (Sierra/Briar Records / 1979)
久々にレコ掘り屋の聖地・下北フラッシュ・ディスク・ランチへ。インスタでも通販を始めておられるのですが、やはりお店が一番!元古井戸・加奈崎さんの本もお渡しすることができ、チラシも置いて頂けた。椿さんは学生時代、古井戸の「何とかなれ」を演奏したことがおありとか!
色々買いましたが、フォーク魂がうずいたのは、スティーヴ・ジレット1979年の弾き語り盤『Alone…Direct』。これは本当に素晴らしかった。スタジオ・ライブ形式のダイレクト・レコーディングだったみたいだけれど、代表曲の数々をギルドF-50とマーティンD-18 & 28、そしてギブソンJ-50を使い分けて弾き語る。凄まじい演奏力。変則チューニングも多く使っていることに気がつく。取り上げているのは、イアン&シルヴィアが取り上げてヒットし、後にカバーしたジョン・デンバーなど300以上のヴァージョンが存在する代表曲”Darcy Darrow”、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドやリンダ・ロンシュタットが歌った”A Number And A Name”、サンシャイン・カンパニーやスワンプウォーターが取り上げた”Back On The Street Again”、名曲”Gamblin’ Man”など60年代の楽曲だ。ロック世代が一目置いていたことは、同年にRegency Recordsよりリリースした『Little Warmth』のプロデュースをグレアム・ナッシュが手掛けたことからも伺える。1967年にヴァンガードからリリースした『Steve Gillette』には、前述の”Darcy Darrow”、”A Number And A Name”、”Back On The Street Again”と共に、パメラ・ポランドが作った”Goin' Home Song”が収められている。語りモノバラッドの伝統をオリジナリティの領域に昇華させたのが彼の個性だった。