/ 仲井戸麗市リスペクトアルバム『OK!!!C’MON CHABO!!!』
4年経ってやっと向き合えたような気がする。忌野清志郎の死。昨日はWOWOWでフジロック総集編やらナニワサリバンショーやら、見続けていて。ここ何年も辛くて観られなかった。仲井戸チャボさんの追悼公演も、DVD買ったものの、一、二回しか観ることができなかったし。命日5月2日。清志郎について考えた翌日に憲法について考える、というのも何か出来過ぎのような気がする。
しかし泉谷の(清志郎の死を)オレは認めない、ってのもあったけれど、映像を見ていると亡くなったと言うことが信じられない。最近でも矢野顕子のカバー盤や本日発売の3人(清志郎、破廉ケンチ、リンコさん)時代のRCサクセションの未発表ライブ『悲しいことばっかり(オフィシャル・ブートレグ)』とか、話題にも事欠かない。『悲しいことばっかり(オフィシャル・ブートレグ)』はファンが持っていたカセットテープ音源とのことだけれど、おととい聴いた限りでは割とファットでド迫力の音。それなりに雑音除去などを行ったのだろうけれど十分聴ける音だった。『ライブ帝国 RCサクセション70’s』やロック画報のRC特集号のDVDのあの雰囲気が充満。当時としてはカテゴライズ不能の音楽だったことだろう。こんな貴重な音を残してくれたファンの方に感謝するほかない。
やっぱり清志郎、ベンチャーズ、ビートルズ、ディランを通過してきた団塊、ロック第一世代だったんだろうなぁというのは最近改めて感じているところ。まあそこにスタックス系のリズム&ブルースが入ってくるわけだけど。ナニワ・サリバン・ショーの命名にしても、デイ・ドリーム・ビリーバー、カバーズにしても、ビートルズやモンキーズ、英米のフォーク・ロックの影響をモロに出したモノ。売れてからは余裕しゃくしゃくで、80年代から晩年の00年代まで、ロックの啓蒙(もしかするとロックの自己戯画化かもしれないが)を続けていたことを思い出す。ってかユーモア一つ取ってみてもロックのイディオムしか出てこない、っていうくらい、60年代のロックやソウルの産湯に浸かったミュージシャンだったということなのだ。
ところでRCの盟友チャボさんも同様。そりゃ清志郎とピッタリきただろうことは、彼の曲と清志郎の曲がシンクロすることからも判る。今日久しぶりに2011年に出たチャボさんのトリビュート盤を聴いている。寺岡呼人、斉藤和義、桜井和寿(Mr.Children)、ザ・クロマニヨンズ、 曽我部恵一、奥田民生、山崎まさよし、宮沢和史、浜崎貴司、吉井和哉、YO-KING、TRICERATOPS、Leyonaという豪華な参加陣。個人的にはチャボさんがかつて加奈崎芳太郎さんと組んでいた古井戸を思わせるテイクにグッと来た。ミスチルの桜井和寿と二人、ギター二本で演じる”月夜のハイウェイドライブ”とかね。そうそう、古井戸と言えば、坂崎幸之助のお台場フォーク村、で坂崎、仲井戸、竹中直人、の3人で昨年古井戸を演ったのもとっても良かった。個人的には最も尊敬するシンガーである加奈崎さんとチャボさんとの邂逅がいつの日かあることを願っているのだが。加奈崎さんと泉谷しげるの共著『ぼくの好きなキヨシロー』はとても良い本だ。そして、僕が観た清志郎最高のライブはというと、長野での加奈崎さんとの対マン・弾き語りライブなのだった。