/ 唄の市 組曲「男・男・男」( Victor SF-1019 / 1972 )
慌ただしくてなかなか更新できなくて。久々ですね。
今日は最近手に入れた盤を。ずっと欲しかったモノだ。唄の市というとエレック黄金期を支えた定例イベントで、エレックの一連の復刻シリーズではライブ盤の相当のCD化が進んだわけだけど、こちらはビクターのSFシリーズで発売された1枚。コレはSFシリーズの復刻でもスルーされた。
メンツとしては、古井戸に生田敬太郎というのはおなじみの所。なぜなら古井戸の加奈崎芳太郎は生田敬太郎とK2ユニットを組んでいたこともあるし、チャボこと仲井戸麗市が古井戸解散後に合流したRCサクセションには生田が在籍していた時期があるから。なぎらはちょっと珍しい所ではある。"教訓2"が話題になっていたであろうことはMCからもわかる。このあとエレックで放送禁止のシングル"悲惨な戦い"をヒットさせたりもするわけだけれど。
冒頭は組曲「男・男・男」とあり、生田の”世の流れに”、なぎらの”丘の下の町”、古井戸の”750円のブルース”がメドレーで。ギターの音が、マグネティック・ピックアップの音だからか、エレキ弾き語りのように聞こえる。もっとも、ジャケでなぎらがグレッチを弾いているように(”永遠の絆”かな)、フォークに似合わずエレキを使った曲もあるのかもしれない。
個人的にぐっと来たのは生田敬太郎の弾き語りかな。”もう待ちくたびれた”とか、ハーモニカとギターで切々と歌い上げるブルース・フォークはシバなんかともまた違った独特の味わいなのだ。ジョン・メイオールの曲にディランの訳詞をそのまま載せた、なんてお茶目なMCで始まる”あいつ”も良かったし。なぎらも相当人を食ったステージを披露していて(カネがない〜鉄道ビルの歌)、今も昔も相変わらずと唸らされる。古井戸は流石の音楽性の高さを披瀝。”待ちぼうけ”、”ごろ寝”、”花言葉”の3曲。ファーストの発売に近いだけに、レコーディング音源の雰囲気をライブで味わえる。ラストは生田の代表曲”この暗い時期にも”を全員で。”Let It Be”からの影響がこのバンドアレンジだと良く解るのだけれど、それにしてもなんて良い曲なんだろう!ザ・バンドがビートルズを歌ったみたいな、計算より経験がモノを言う雰囲気がある。