/ Never Been Gone ( Iris Records / 2010 )
昨年出ていたカーリー・サイモンの新譜。オリジナルではミック・ジャガーがハーモニーを付けて大ヒットした”You’re So Vain”やマイケル・マクドナルドとの共作”You Belong To Me”を含むリメイク作ということで、そこまでの期待もしていなかったのだが、実にアクースティックで、リラックスしたライブ感に包まれた好作だった。カーリー自身のアコギ、ピアノに加え、ジェイムス・テイラーとの間に設けた息子ベンジャミン・テイラー、娘のサリー・テイラー、そしてベンジャミン・テイラーと活動を共にするシンガー・ソングライターのデヴィッド・ソウなどを従えている。ちなみにデヴィッド・ソウはソロ作もリリースしており、そちらもかなりの好フォーキー盤だ。カーリーは『Into White』でソングライティングを含めたデヴィッドの才能に惚れ込んだと思われる。
ベンジャミンの声は親父のジェイムス・テイラー譲り。時々ジェイムスとのデュエットに聴こえてしまうあたり、血は争えないモノだと思う。
さて、最後まで聴いて、なんだかんだ”You’re So Vain”のインパクトにやられてしまったわけだけど、これがこのシンガーの宿命なのかもしれないな。