*[ソウル] Booker T.Jones / The Runaway(MCA / 1989)
完全にスルーしていた盤。こんなの出てたっけ、という。A&Mからの『I Want You』の次作が1989年のコレ。そしてMGs1994年の再編作を挟んだその次のソロは20年後!2009年の『Potato Hole』。
ここのところ、CDとの過渡期の87~89年のLPを重点的に集めている。ラップ前夜のブラコンとかもマイナーな人含め結構LPが出ている。CDになると急に興味が薄れちゃうんですが。ただこの時代、中には今の新譜LPなんかとは比べ物にならないレベルの高音質LPがあるんですよ。実はオンタイムのCDより音が良い盤があったり。とはいえ世代的にはなぜか一番音を聴く機会が少なかった時代。90年代に入るとリアルタイムの記憶があるのだけれど。
で、ブッカーTジョーンズですよ。レイト80’sそのもの、な自身による打ち込みのクールなサウンドにいつものヒップなハモンドB-3オルガンが浮遊する。チープと捉える人もいるかもしれないけれど、結構気持ちいい。面白いのは、いろんなギタリストとの共演が楽しめること。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのクリス・ヘイズ、TOTOのスティーブ・ルカサー、ジャジーないぶし銀のプレイが光るフィル・アップチャーチ、リズム・カッティングの鬼ポール・ジャクソンJr.、泣く子も黙るラリー・カールトン先生、そしてデヴィッドT・ウォーカー御大。ベースはネイザン・イーストが参加して固いサポートを。スティーブ・ルカサーとかクリス・ヘイズなんかは、きっとMGズに加入した気分でアガってたんじゃないかなと想像。ルカサーは弾きまくりですが。個人的にはフィル・アップチャーチが参加した”The Cool Dude”がスティービー・ワンダーを思わせる切ないメロで最高だった。マスタリングはバーニー・グランドマンでした。