*[SSW] Lindy Stevens / Pure Devotion (Decca / 1972)
最近何気なく買ってみて感動した盤。リンディ・スティーヴンスというミルウォーキー出身の女性ジーザス系シンガーソングライターの唯一作。ダニエル&マシュー・ムーア兄弟の参加も目を引く(プロデュースはマシュー・ムーア)。フリー・ソウルな冒頭の”Ask The Lord”で掴みはOK。タイトル曲の”Devotion”が完全にローラ・ニーロ風なピアノ弾き語りの大名曲。崇高なハイトーンのこの1曲だけで本当に素晴らしいと思ってしまった。名匠ロバート・アペルがエンジニアリングを手がけた初期作品ではなかろうか。セクション、ダニー・クーチのソロ、ニール・セダカなどで一世を風靡する人。だから、そっちの音が好きな人にも堪らないはず。しかしここでギターを弾くのはクーチではなく、後の名セッション・ギタリスト、ディーン・パークスなのでありまして。彼にとって、1971年のヘレン・レディのファーストに次ぐ、ポップ・フィールドでのセッション初期作だと思われる。ディーンはストリングスと木管のアレンジも手がけている。中にはキャロル・キング風の楽曲もあるが、質は高い。珠玉の1曲はシングル・カットされた”Pennygold”。ローラ・ニーロの”Stoned Soul Picnic”をもっとアップなノーザン・シャッフルにしたような甘酸っぱい感触で!