/ A Holiday Carole ( HEAR MUSIC / 2011 )
キャロル・キング、ホリデイ・アルバムのリリースは意外だったが、盟友ジェイムス・テイラーにもあったから、出してもおかしくないかとも思う。ソロではやはり親を超えられなかった娘のルイーズ・ゴフィンがプロデュース。ヒア・ミュージックからのリリースだ。ところで最近ベテランのLPでのリリースが増えている。アマゾンでも新作LPを2枚買うと割引にする、なんてセールもあるし。
そこまで期待せずに買ってみたものの、素晴らしかった、そんなLPで。すっかりおばあちゃんになったキャロルの大写しはそれなりにインパクトがあるけれど、重量感のあるLPは音も申し分ない。デジタル・ダウンロードカードもついているし、値段もCDと変わらないから、LP購入がベストでは?(値段もCD1枚とほとんど変わらないのに、ダウンロードカードどころかCDが1枚くっついてくる新作LPも多いから、時代に逆行してあえてLPを選びたい。)
個人的には”Sleigh Ride”が60年代のポップス時代のキャロルを思わせる感じもして、たまらなく良かった。他を見てみると、楽曲はホリデイ・アルバムにしては意外性のあるものが多い。ルイーズ・ゴフィンがソングライティングに加わった”Chrisitmas Paradise”はサルサ風で、かつての”It’s Too Late”みたいにラテン・ビートとの相性のよさを思い出したり。さらに変わらぬソウル・フリークっぷりはウィリアム・ベル&ブッカーT・ジョーンズ作の”Everyday Will Be Like A Holiday”やダニー・ハザウェイの”This Christmas”に表れていたり。ラス・カンケル、ダニー・クーチといったセクションの面々や、ディーン・パークス、ボブ・グローブといった腕利きの参加も嬉しい。愛娘ルイーズがボーカルで参加した”Chanukah Prayer”はジャジーな雰囲気だが、触れ込みによると一家に伝わる1曲だとのこと。
とにかく予想以上に良かった!それなりに売れているようだし、じきに日本盤も出るのかな。