いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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及川恒平 / Live in Jean Jean(ライブ・イン・ジャンジャン)(polydor / 1976)

markrock2018-02-05




気付いたらブログのアクセスが100万を超えていた。私の人生で興味を失うことなく続けられているのは音楽を聴くことだけ。そんなこんなで始めたブログだけれど、思いのほか色んな音楽ファンの方に目にして頂いているようで、一時はやめようと思ったりもしたけれど(音楽を言葉にすること、そして思わぬ方向へ進みつつある時代への無力感?)、それでも続けて来てよかったな、と思う。沢山の出会いもあったし。そもそもはインターネット時代が到来し、誰も紹介していないようなマニアックなSSWのレコードについて語りたい、という気持ちで始めたのだった。Googleというよりも当時はもっとポピュラーだったYahoo!で検索して誰ひとり日本で取り上げていないレコードのレビューを初めて書いてやろうという。ミュージック・ジャーナリズムで無視されてきた隠れ名盤や、英語の文脈を無視して祭り上げられている海外ミュージシャンの再評価みたいな。最近は大分趣旨が変わってきているんですが。次第に英米のSSW好きの方々ともブログで繋がり始めて、そうした方々がブログ取り上げていたレコードを韓国BigPinkがCD化しはじめたという思わぬ動きもあって(笑)。日本のミュージック・クレイジーのブログが海外で熱心に読まれていたわけですよ。ミュージシャン、業界人、ライターとは全く違った所から新しい音楽の世界を広げられたのがインターネットの力だと痛感したのだった。それもこれも愛すべき音楽あってのことなんですが。引き続き、よろしくお願いいたします。

さて、本日の一枚。六文銭といえばフォーク界の長老・小室等とともに、及川恒平を忘れてはいけない。彼の詩人・ボーカリストとしての才能はグループに欠かせなかったと思う。で、これは1976年の今は亡き渋谷ジァンジァンでのライブ盤。サウンド指向のアルバムの完成度はファースト『忘れたお話』やセカンド『名前のない君の部屋』の出来を引き合いによく語られるけれど、このライブ盤は一番取り上げられない盤かも。

とはいえほぼ新曲で、ライブとは思えない完成度。レコーディング代を浮かせるためなのかわからないが、ある種一発録りレコーディングのような仕上がり。バックを務めるのはシング・アウト〜ブラウンライス〜ジム・ロック・シンガーズの惣領泰則。MGMと契約してポール・マッカートニーから曲も書いてもらったブラウンライスですよ。演奏は結構プログレッシブな要素もあって、驚かされる。井上鑑も何気なく参加しているし。つぶやくような及川のフォーキーなボーカルも、演奏に触発されて、次第に熱を帯びてくる。



細野晴臣”恋は桃色”のカバーもある。同時代的にフォーク歌手がしっかりこの曲に反応していたのは興味深い。ディランⅡもカバーしていたし。とはいえこれはこのライブレコーディング用の単発カバーであるせいか、基本弾き語りトラックなのが一寸惜しい気もする。惣領泰則アレンジでも味わってみたかった。