数日の休日の間にレコ部屋の整理を。流石に6畳間が物量的に危機的状況になって来た。次、大地震が来たら、たぶんもろとも潰されるかも。東日本大震災の時は間一髪で子どもの命に関わる事態もあった(コレは本当に危なかった…)。その時は部屋の復旧に半年以上かかっている。レコ漁と並行したライフワークとして、仕事柄(とかこつけて)とりわけ哲学・思想関係の本を買い漁っているものだから、本棚の背中と背中を合わせてタワーを作ったり色々スペース確保の工夫はしているものの、冗談にならない程スペースがなくなってきた。そんなわけで、いま冷静に処分を検討している。例えばビートルズ関係なら日本盤レコは全て処分する、とか、初期プレスだけを残してダブり盤は売る、とか自分なりにルールを作ってですね。ちょっとしたレア盤の類だったら、オリジナルのレコを手に入れたらCDの方は売る、とか。取り急ぎ200枚くらいのレコを抜いてみたけれど、余り状況は変わらないですね…今まで、断捨離とかミニマリストとか、情報への執着を失っているわけではない似非解脱者を一生お掃除やってろ!とか言って相当コケにしてきたんですが、本当にゴメンナサイ。。それなりに断捨離は必要かもしれませんね。。それにしても、処分しては買い…というレコ狂いなら世界共通の全く生産性のない作業なんですが、もし処分の良いアイデアがあったら誰か教えて下さい。
そんなわけで今日も反省なく入手してしまった盤の中から、オッと思ったのがジャズ・シンガーの大御所サラ・ヴォーンの『A Time In My Life』。1972年にメインストリームからリリースされたレア・グルーヴ的観点が評価の高い一枚。元の持ち主が入念にビニールカバーをゲイトフォールドの内側まで貼り付けていて、経年変化でノリがベタベタして困ったパターン。全部カッターで切り取るとシールド盤並のジャケが現れてちょっと感動。
安っぽいジャケなので今までスルーしてきたけれど、ボブ・シャッドのプロデュースでアーニー・ウィルキンスのアレンジということで、同じくメインストリームからのフリー・ソウル名盤、アリス・クラーク『Alice Clark』と全く同じプロダクション。並べて聴ける姉妹盤だった!ジョン・レノンの”Imagine”のソウルフルなカバーに始まり、マーヴィン・ゲイの”Inner City Blues”、ラヴィン・スプーンフルの”Magical Connection”、ミシェル・ルグランの曲でマイク・カーブ・コングリゲーションがヒットさせた”Sweet Gingerbread Man”、そしてボブ・ディラン/ジョージ・ハリソンの”If Not For You”とか選曲が秀逸過ぎる。ブライアン・オーガーとAWBのアラン・ゴーリーらの共作”On Thinking It Over”もあるな、と思ったら、ブライアン・オーガーズ・オブリヴィオン・エクスプレス(ドラマーは後にAWBを作るロビー・マッキントッシュ)1971年の『A Better Land』から”Trouble”、”Tomorrow City”を含めて3曲が取り上げられていた。時代を反映してアクースティックなロック・サウンドに接近した好作だけれど、こうした同時代的評価があったことに今更、気がついた。