*[フォーク] Rolf Cahn & Eric Von Schmidt(Folkways / 1961)
天気がいいとなかなかゴキゲン。唐突ながら、今年で40歳になってしまう。ジョンが亡くなった歳ですよ。色々と思うところはある。しかし我々の世代(という言い方も我々くらいまでしか通用しない?)の未来を思えば、余り明るい未来はない。そもそも未来が明るいという近代的発想が通用しない時代を生きているというのもそうだし、年齢別人口の不均衡ですよね。旧い価値観に囚われている限り、一番人口の多い世代の人たちの現状維持のために使い捨てられてしまうんじゃないかな。あらゆる組織は半分は信用しても、もう半分は信用しないほうがいいと思っている。国も含めて、ね。
てなことで、自分や家族が気持ちよく生活できる環境をつくることに興味が移っている。ベランダに風を感じてくつろげる空間を作る、とか、要らないものは思い切って捨てる(あるいは売る)とかですね。10数本あったギターも弾きたいギターに絞って売ったり、オーディオも最低限のもの以外を売ったり(思いのほか中古市場に活力があって、オークションで飛ぶように売れた)。そして今後音楽は基本レコードで聴きたいな、というのがあるので、CDでも持っているものはブックレットをスキャンして、データ化して売ったり。ちなみに保存はHDDよりSSDの方が強固かな。とはいえ余程大事なものやCDしか出ていないものは決して売りませんが。
そんなこんなというのも、増え続けるレコードが結構生活を圧迫していまして(笑)。コレクターの人ならわかると思いますが、月に100枚くらいずつ増えていくという状況が何年も続けばどうなるか、という話。定期的に処分してはいるけれど、限界はあるわけで。
しかしレコードはやっぱり最高。今日みたいな晴れた日に窓を開け放して大音量で聴く、というのが至福。これはロルフ・カーンとエリック・フォン・シュミットのフォークウェイズからリリースされた1961年の米オリジナル盤。ジャケに分類番号が無造作に貼り付けられている。どこかのアーカイブにあったものだろう。エリックはフォーク・シンガー、イラストレイターとして知られている人。ボブ・ディランのアイドルでもあり、ディランが自身のジャケの構図の参考にしたり、ジャケ中にエリックのジャケを忍ばせたのは有名な話。
エリックにとってのファースト・アルバムだが、ディランがデビューする1年前のリリースだ。ギタリストのロルフ・カーンはフォーク・シンガーのバックをやっていたようだけれど、ミッチ・グリーンヒルのような卓越した技量はない。結構ミストーンがあったりするけれど、アコギでリードを弾ける人はさほどいなかった時代だから致し方ない。米インディー・ロックバンドの名前と同じタイトルの”Grizzly Bear”に始まり、”Nobody Knows You When You’re Down & Out”やデイヴ・ヴァン・ロンクで有名な”He Was A Friend Of Mine”、そしてディランが90年代にカバーしていた”Frankie & Albert”も収録されている。58年前の盤だがオーセンティックなアクースティック・サウンドは古びない。