いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Josh White Jr. / Same(Vanguad / 1978)

*[フォーク] Josh White Jr. / Same(Vanguad / 1978)

 

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ジョシュ・ホワイトといえば、アメリカン・フォーク界の黒人ソングスターみたいな人。1914年に生まれ、1969年に55歳の若さで亡くなっている。ディランからPP&M、そして彼らより年長のピート・シーガーまで、60年代のフォーク・リヴァイヴァルの人達で影響を受けていない人はいないんじゃないかな、と思う。黒人差別にプロテストする運動家としての側面もあった人だし。

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しかしそのジョシュの息子、ジョシュ・ホワイト・ジュニア(https://www.joshwhitejr.com/)のレコードは聴いたことがなかった。ジャケットを見る限り、親父の遺伝子を受け継ぐフォーク・ソウル的作品だとは思わなかった。だいいち、レコ屋のソウルのコーナーに入っていたし。1978年にヴァンガードからリリースされている、というのが遅れてきたフォークのようでいい(とはいえ60年代に3枚の単独作をリリースし、今作は10年ぶりのアルバムだった模様)。スティーブ・カーンがギターで参加している。ラリー・キーンが1975年のアルバムに入れている”Marco Polo”(マルコ・ポーロ!)という曲が、プリAORの色でとても良い!ビル・ダノフが自身のビル&タフィのアルバム『Pass It On』で歌い、ジョン・デンバーにもカバーされた”She Won’t Let Me Fly Away”はファンキーな仕上がり。そしてそのビル&タフィ作品のタイトル曲”Pass It On”も選曲。自身でも”Think”を書いているけれど、基本的には他人の作品を自分のものにしてカバーするフォーク・シンガーのスタイルみたい。フォーク・シンガー、エド・ヴェイダスの”You Turn Me”は結構ポップ・ロックな仕上がりで。珍しいところではデヴィッド・ポメランツのAORなバラード”It’s In Everyone Of Us”をゴスペルなタッチでカバーしていたり。女性フォーク・シンガー、ローン・マッキンノンの”My Sister Delores”もあった。裏ジャケには誰かに宛てたサインもある。今はもう78歳。親父より30年以上長生きして、フォークの伝統を歌い継いでいるみたい。

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