いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Dion & The Belmonts

markrock2013-07-03

/ Reunion Live At Madison Square Garden 1972 ( Warner / 1973 )

下北沢FDRにて、今日もゴキゲンなレコードばかりで!特に最後まで迷った上で手に取ったディオン&ザ・ベルモンツの1972年の再結成盤、椿さんに「一度取ったら棚に戻しちゃいけないレコード、すごく良いよ〜」と言われて、やった!という感じで。


さてさて、70年代前半のディオンというと、”Abraham, Martin & John”以来のシンガー・ソングライター・エラに突入していた頃。そんなイメージだったのでこの再結成盤の存在は意外だった。ワーナーには『Sit Down Old Friend』『You’re Not Alone』『Sanctuary』『Suite For Late Summer』というSSW名盤を残している。これらの盤は60年代にディオンがコロンビアでシングルのプロデュースを手がけたケニー・ランキンの同時代の音に近くなっているのが面白い。ケニーはそのコロンビア時代に、ボブ・ディランの歴史的名盤『Bringing It All Back Home』にも参加していた(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20081223)。そして、ディオン抜きのベルモンツはというとジョージ・ハリスン”My Sweet Lord”やマン&ウェイル” Rock and Roll Lullabye”のカバーなどを含むこれまた素晴らしい『Cigars, Acappella, Candy』(1972)をリリースした頃。アメリカン・グラフティが1973年ですから、オールディーズ・リヴァイヴァルのまっただ中だったというわけ。そしてそして、椿さんの「お金に困った頃に再結成する」説に一票!ディオンはともかく、ベルモンツは厳しかったんじゃないかな…


“ディオンがYesと言い、ベルモンツがYesと言い”…なんて司会者の声に導かれて登場する7年ぶりの面々に観客の熱狂は割れんばかり。ディオンのブギウギなリズムでザクザク刻むアクースティック・ギターに導かれ、グイグイ盛り上がっていく。”Teenager In Love”や”The Wanderer”なんかを聴いていると、ディオンのアイドルを公言しているポール・サイモンが歌っているように聴こえてくるから不思議だ。ご存じの通りポールのS&G以前のデモやソロになってからの曲にはディオン・ライクな音が多くって。本当はディオンみたいにブルージーに歌いたかったんだろうなぁ、という。そして、2009年のロックンロール・ホール・オブ・フェイム25周年コンサートでは、自らのステージにクロスビー&ナッシュを呼んでサタデー・ナイト・ライブでジョージと歌った”Here Comes The Sun”を演った後、ディオンを呼び込んで”The Wonderer”を演る、なんて粋な計らいをしてくれた。その時のディオンの現役感とローカル感がまた凄かった。今もブロンクスに拘り、オリジナルの新作まで出してるんだから、嬉しい限りだ。


B面もヒット曲満載で息もつかせぬ仕上がり。何故今まで気付かなかったんだろう、というコレ、かなりの大穴盤だった!!音も無茶苦茶良いし。