/ 誘蛾灯 ( EMI / 2008 )
演歌ってのも、よっぽどそのコーナーでも覗かない限り、情報を仕入れにくいところがある。しかも、個人的に興味があるのが演歌ソングライターの自演盤なんてものなので特に。
こちらのシングルも今年気付いて入手した一枚。ちあき哲也作詩の2曲”誘蛾灯”と”アメリカ・バンザイ”の2曲。どちらもアクースティック・ギター(クレジットはないけど本人演奏では?)を中心にした、割とフォーク演歌っぽい作品なのが面白いし、取っつきやすくもある。”誘蛾灯”はさだまさしの”無縁坂”とかみたいな4畳半フォークっぽい世界かな。代表曲の”舟唄”や”望郷じょんがら””そして、神戸”にしても、元々歌手志望だった浜圭介の作品は演歌という世界に収まらない、作者のぬくもりや思い入れみたいなものが感じられる作品が多いから、自身の声で聴く味わいは格別だ。
戦後の混乱期に亜米利加兵との間に子を産み落とした女の誰を恨むことも出来ない人生を歌いこんだ”アメリカ・バンザイ”がとりわけ心に残る。