『ロック誕生』と共に買ってしまいましたよ、1970年の第2回フォークジャンボリーの記録映像。数年前からYouTubeで今までテレビ等で観たことがなかった映像が目に出来たものだから、いつか纏まった形で出るだろうなと踏んではいたけれど。
一気に観てみたけれど、結構興奮してしまった。まず、ウッドストックの映画に影響を受けた作りだってことは、集まった若者へのインタビューや設営風景、水泳シーン(流石にハダカはないけどね)を挟んだ構成からも見て取れる。でもさ、ウッドストックから1年しか経たぬ間に、極東の日本で同じ様なヒッピーガールが田舎の街に集まったって本当に凄いことだと思う。時差はほとんど無いよね。ただ、そこに行った人は大衆のメジャーではないと思う。それから40年、彼らももうおじいさん、おばあさんと言われる年齢にさしかかっている。
特典映像が野上眞宏の写真と共にはっぴいえんどの今と昔を音楽と共に振り返る『風都市物語〜はっぴいえんどが歩いたTokyo』と岡林と泉谷の対談であることからして、岡林&はっぴいえんど需要を見込んだリリースと考えられる。ちなみにその映像ははっぴいえんどのマスターテープやジャケ写の今と昔を追った20分程度のもので悪くないけれど、インタビューにしても当たり障りのないもので、面白くはない。それ目当てで買うべきではないかも。
本編はやはり凄いですよ。映像や音声の乱れは仕方ないとして。小室等と六文銭”ゲンシバクダンの歌”はCD化で自主規制なのかカットされた曲。前にBSの番組でチラッと聴いたことがあった。斉藤哲夫(”斧をもて石を打つがごとく”)は若い!別の曲も聴きたかったけど。シューベルツ解散後のはしだのりひこは3人の子供とほほえましいい歌のお兄さんになりきっている。(はしだのりひことマーガレッツ ”グッド・バイ”)。エンケンと高田渡、五つの赤い風船は有名な映像。赤い風船はやっぱり客受けが良いね。浅川マキの映像も実に貴重。彼女としては不本意なステージだったかもしれないけれど、野外での慣れない演奏の緊張感が伝わってくる。杉田二郎(”白い砂”)なんかもロック・ファンには興味のないところかもしれないけれど、結構良かったなあ。声が良いよ。で、注目の岡林&はっぴいえんどはといいますと。オープニングの”だからここに来た!”、”それで自由になったのかい”はこのイベントを象徴するものだし、生演奏の”今日をこえて”、”おまわりさんに捧げる唄”、”コペルニクス的転回のすすめ”は貴重すぎる!ブツ切りになっているものもあるけれど、チラッとはっぴいのメンバーが映るとこがまたタマランですよ。客も言われているほどシラけてもおらず、結構ノッている。当時フォークの岡林を求める風潮があったことも理解できるけれど、猛り狂うロックにどうやって身を任せて良いか判らない人が多かっただけ、という気もする。既に何度も見た映像だったけれど、”私たちの望むもの”はやっぱり強烈ですよ!
岡林信康のロック編成でのツアーやCDリリースも好調だった今年。タイミングは最適。しかし60年代や70年代の熱気から40年が経とうとしてるんですな。この事実をどう受け止めて良いやら、毎日悩んでます、ハイ。