いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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ぎんぎん 

markrock2009-08-03

/ 側車 ( Victor SJX-20007 / 1977 )


何と言っても裸の女を側車に縛りつけたとんでもないジャケットが目を引く。Broom Duster KANこと神林治満が在籍していた横浜のブルーズバンド「ぎんぎん」の唯一作。語られることは少ないが、ジャパニーズ・アクースティック・ブルーズの秘宝。メンバーは神林治満(アクースティックギター、ハープ)、宇佐美源助(アクースティック・ギター)、伊東正道(ベース)。ドラムスがいない分、憂歌団よりもプリミティブなブルーズを聴かせてくれている。10曲中6曲が甚六屋でのライブ・レコーディング。他の4曲はビクター・スタジオで録られたもの。


とにかくどの曲もスリリングな生演奏の感触。ザラっとした神林ボーカルが印象的だ。A-1”インストルメント”はその名の通りアコギ、ベース、ハープのインスト。後半、盛り上がるハープのフレーズにBroom Duster KANの片鱗が。ハマの風景を織り込んだA-2”立ちん坊ブルース”は客席の合いの手も入って熱い仕上がり。ウォーキング・ベースが心地良いA-3”春の風”に続くシャッフル・ブルーズA-4”帰り道”では押しまくるギターソロに腰が浮く。A面ラストはスローなA-5”青い空に”。


B面はこれまたスローなブルーズB-1”ウォーキング・ブルー”でスタート。ここでは坂本ひろし(ピアノ)が参加。坂本はサントリィ坂本として杏里、稲垣潤一ラッツ&スター、桑名正博らのサポートを務めることになる人物。私の友人のフォーク歌手松田亜世のサポートも現在務めている。“俺ら金にも女にも縁がねえ”と凄みのある声で畳み掛けるB-2”コーヒーハウス・ブルース”に続くB-3”ニューオーリンズ・バウンド”とTampa Red (Hudson Whittaker)作品に日本語詩を付けたB-4”おまえ”は一聴したところ神林のボーカルではない。神林はハープに専念するのだが、コレがまた痛快!ラストはBig Bill BroonzyのB-5”Good Jelly”。改めてオリジナルも聴いてみたけれど、ロックン・ロールとの連続性も感じられるノリ。


通して聴くと、衝撃的なジャケに反して真っ直ぐで純粋なブルーズへの愛情、憧憬が伝わってくる好盤。ちなみに裏ジャケでは縛られていた女性が警官に扮して、メンバー(半ケツ含む)を“お縄”にするというオチもついていて…


A-1 インストルメント
A-2 立ちん坊ブルース
A-3 春の風
A-4 帰り道
A-5 青い空に
B-1 ウォーキング・ブルー
B-2 コーヒーハウス・ブルース
B-3 ニューオーリンズ・バウンド (作詩・作曲:中村善郎、ぎんぎん:編曲)
B-4 おまえ(Whittaker / 訳詩・編曲:ぎんぎん)
B-5 グッド・ジェリー(Bill Broonzy / 訳詩・編曲:ぎんぎん)

作詩・作曲・編曲:ぎんぎん (Except Noted)


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