ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバル2012でのジョニー・ウィンター来日公演、日比谷野外音楽堂、行って参りました!!ギター持って立っただけで歓声、というのはハープに息を吹きかけただけで歓声、というボブ・ディランに匹敵する。まさにオーラが違うということを痛感。
サニー・ランドレスもトリオとは思えぬ音の分厚さで流石のプレイ。見た目は現在のスティーブ・ハウみたいな細身なんだけれど、ギターを幾分か高く抱えて繰り出すスライド・プレイは唯一無二。殆どミスタッチはなく、職人の域に達していたと思う。客を乗らせるみたいなスタイルじゃなくて、ギターとサニーの対話を見ているだけでこっちが熱くなると言う、そんなスタイル。近藤房之介も全然良かったのだけれど、サニーのバンドから音の熱さが違った。実はブルーズはドラムスのパワーによるものも大きいなと思ったり。
そしてジョニー御大ですよ。ステージに出てくるんだけれど、高齢(とは言っても68)と視力・体力の衰えからかステージ袖からよろよろと介護認定のおじいちゃんのように登場。もうこれだけで泣けてくるんだけれど、黒いピアノ用のイスみたいなのに座ってヘッドレスのギターを抱えると繰り出すギター・リックは往年のジョニーそのもの!しかもパワフルなバンドの音に全然負けてない音量、そして凶器のようなスライドの音色…もう打ちのめされました。全然衰えてないじゃないですか。ジョニーというとブルーズがもちろんルーツだけれど、多くの曲のビートはロックンロールでありまして、そこが彼の持ち味だったわけだけれど、今回のライブも枯れたスロウ・ブルーズに逃げる気なんぞ全くなく、前半で"Good Morning Little Scholl Girl"や"Johnny B.Goode"をロックにキメてきて全く老け込むつもりなし!手だけ見てると手数が多く往年のジョニー節なのだ。
ボブ・ディランの"Highway 61"や"Got My Mojo Walking"やらラストのサニー・ランドレスも交えたセッションでのエルモア・ナンバー"Dust My Broom"まで、ゴリゴリおしまくる。ボーカルもかなりの迫力でしたよ。YouTubeに今年1月のデヴィッド・レターマン・ショウの映像(下にリンク貼っておきました)があったけれど(『Roots』のプロモーション)あれを見ると今年のジョニーの充実っぷりがわかるかも。
ちなみに客席は相当いかついオヤジ・ファンが多く。。いかにもブルーズ、ですなぁ。とは言えブルーズは若手にもうちょっとアピールして欲しいものでありまして。改めてブルーズは面白く飽きない音楽だと今日は色々な出演者を見て再認識してしまった。そうそう、司会のゴトウゆうぞうさんはアッパレ名芸人だった!
一緒に行った往年のリアル・タイム・ロック・ファンの大先輩が言うには、昨年初めてというジョニーの来日が遅れたのは服用している薬の認定が日本で認められなかったからだとか。ううむ、なるほど。しかし、こうなったら毎年来て欲しい。行きますよ!!お金を払う価値のあるライブってのはそうあるものじゃないし。