いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

f:id:markrock:20190212213710j:image
いしうらまさゆき へのお便り、ライブ・原稿のご依頼等はこちらへ↓
markfolky@yahoo.co.jp

f:id:markrock:20201004210812j:image'>
[NEW!!]『哲学するタネ】――高校倫理が教える70章』【西洋思想編1】【西洋思想編2】が2020年10月20日に2冊同時刊行!!。
『哲学するタネ】――高校倫理が教える70章』【西洋思想編1】【西洋思想編2】2020年10月20日発売
●石浦昌之著
●定価:西洋思想編1 本体2000円+税(A5判 330頁)(明月堂書店)
注文はココをクリック
●西洋思想編2 本体1800円+税(A5判 300頁)(明月堂書店)
注文はココをクリック
f:id:markrock:20201004205325j:image
[NEW!!]2020年7月31日発売『URCレコード読本』(シンコー・ミュージック・ムック)に寄稿しました(後世に残したいURCの50曲 なぎらけんいち「葛飾にバッタを見た」・加川良「教訓1」・赤い鳥「竹田の子守歌」、コラム「高田渡~永遠の「仕事さがし」」)。
詳細はココをクリック
購入はココをクリック
f:id:markrock:20200802143148j:image
ohno tomokiとダニエル・クオンによるデュオ「x-bijin」初のアルバム『x-bijin』(2020年6月26日発売)、リリースインフォにコメントを書かせてもらいました。
詳細はココをクリック
11月15日発売のレコードコレクターズ12月号に加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)の書評が載りました。
f:id:markrock:20200521021219j:image
編集・ライターを担当した加奈崎芳太郎著『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(エルシーブイFM「加奈崎芳太郎のDIG IT!!」書籍化)が2019年8月に発売されました。
●加奈崎芳太郎著・桑畑恒一郎写真
●定価:本体3000円+税
●A5判(上製)416頁(明月堂書店)
詳細はココをクリック
注文はココをクリック
f:id:markrock:20200521020444j:image

【メディア掲載】
『毎日新聞』2019年10月3日掲載 「元「古井戸」加奈崎芳太郎さんが本出版 音楽活動50周年の集大成」
詳細はココをクリック
『長野日報』2019年9月25日掲載 「音楽文化で伝える戦後 パーソナリティのFM番組まとめ 加奈崎さん書籍刊行」
極北ラジオ石浦昌之の「哲学するタネ」が書籍化されました。
『哲学するタネ【東洋思想編】――高校倫理が教える70章』(石浦昌之 著)2018年10月10日発売
●石浦昌之著
●定価:本体2500円+税
●A5判(並製)384頁(明月堂書店)
詳細はココをクリック
注文はココをクリック
f:id:markrock:20201004211116j:image

【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
ココをクリック
【ブックガイド掲載】
斎藤哲也『もっと試験に出る哲学――「入試問題」で東洋思想に入門する』(2020年、NHK出版新書)

 Marc Cohn

markrock2010-09-13

/ Listening Booth :1970 ( Saguaro Road / 2010 )


やっと届きました。マーク・コーンの新作。90年代にデビューしたシンガーソングライターで一番肌にあった人はこの人だった。ジェイムス・テイラーと言ったウェスト・コースト人脈がバックアップをしていたからなのか、解らなかったのだけれど、その理由が解った本作。1970年にタイムスリップして、当時のマークのフェイバリット・ソングを楽しめるという趣向。その選曲がこれまたドツボだったのだ。うーむ。ぼくの方が20歳若いけれど、人生を変えてくれたのは確かにこの時代のミュージシャンであり、楽曲なのであった。


マークの震えるビター・ヴォイスが影響を思わせるキャット・スティーブンスの”Wild World”にはじまり、ジョン(”Look At Me”)&ポール(”Maybe I’m Amazed”、コノ曲はエルトン&ビリーはじめピアノ系シンガーソングライターに相当の影響を与えているはず。マークはご多分にもれず)、インディア・アリーと歌うブレッドの”Make It With You”、ボックス・トップスの”The Letter”、J.J.ケールの”After Midnight”、CCRの”Long As I Can See The Light”、グレイトフル・デッドの”New Speedway Boogie”、スティービー・ワンダーの”The Tears of a Clown”、バッドフィンガーの”No matter What”(コーラスはエイミー・マン)、ヴァン・モリスンの”Into The Mystic”という。思わず全部挙げてしまったけれど、個人的にも大好きな曲ばかり。しかも、S&Gなら”The Only Living Boy In New York”を持ってくる辺りが痺れてしまう。ブルーズ、ロック、ソウルといったアメリカンミュージックの深遠な響きを感じさせるマークの音楽性はここに育まれり、という。前作のタイトル曲”Listening in Levon”ではザ・バンド(リヴォン・ヘルム)への愛情も窺い知れて。もう、最高!これゃ彼の音がピンと来たわけだ。



プロデュースはジョン・リヴェンサール。空間を生かしたアクースティックな音作りには定評がある。金太郎飴的だけれど、個人的にはショーン・コルヴィンで聴きまくった好きな音。ジョンが余りに楽器に達者なためか、マーク自身のピアノやアコギが聴けないのは残念だけど。


ライナーを読むと、オハイオ州クリーブランドに生まれた彼がかつて通っていたレコード・ストア”John Wade”について語られる。まさかおんなじ業界に入るとも知らず、LPや45回転のレコード棚、そしてジャケットをドキドキしながらくまなく眺め、プレイヤーやプロデューサーに思いを馳せた時代。音楽にはソウルやポエトリーがあり、人生を変え、運命を覆す力があった…という、マークの言葉に胸が熱くなってしまった。ロックの歴史を考えるとビートルズやS&Gの解散と言った時代の転換点である1970年、来る日も来る日も、レコード・ストア”John Wade”のリスニング・ブースで聴こえてくる音に耳を澄まして、胸躍らせていたのではあるまいか。


ぼくがマーク・コーンに出会ったのもそんなレコード屋の店先だった。1993年のデヴィッド・クロスビーのアルバム『Thousand Roads』にマークが作り、参加した”Old Soldier”という曲があって。聴いてみるとグレアム・ナッシュ&クロスビーにしゃがれ声のマークは、スティルスみたいで、とてもきれいなハーモニーだったのを覚えている。そして手に入れた『Marc Cohn』 。これを手に入れたのは、高田馬場にかつてあった『DISC FUN』という中古レコード屋だった。なぜかマークのサインらしきものが入っていたけれど、300円で店外に野ざらしになっていたし、いまだに誰かの落書きかもしれないな、と思っている。