/ キャッチ-22 ( EMI / 2009 )
名フォトグラファー、ノーマン・シーフのジャケ写からして昨年惜しくも亡くなった加藤和彦の追悼盤ってな意味合いもあるのかな。『キャッチ-22』が昨年末にCD再発。元はLP2枚組の本作、フォークルやソロのCD化も進んでいるし、LPで良く見かけたけれど、特に欲しいベスト盤とは思っていなかった。
でも聴いてみるとそれなりに面白い。1977年リリースだから、フォークル、ソロ、ミカバンド、再びソロの『それから先のことは』収録作までが収録されている。ヨーロッパ趣味の萌芽だったフォークルの”オーブル街”をはじめ、後のヨーロッパ三部作に繋がるアイデアが見て取れるのが興味深い。さらに、あくまで自分で詩を書かないっていうスタイルが徹底していたことも判る。そういう意味で、思いの丈を自分の言葉で唄にしてみようというエネルギーよりも、洗練された鋭いアイデアで世の中を驚かしてやろうという、プロデューサーや職業ライターとしての頭が先にあった人だったのだなと改めて感じられた。