/ アンソロジー1966-1999 ( TEICHIKU TECH25097 / 2006 )
マイク真木の結成したGS、マイクスってどんな音だっけ?と急に思い入手した盤。マイクスには後にミッキー・カーティスのサムライズ、ロッド・スチュワートのフェイシズに加入する山内テツが在籍した時期もあった。
さて、マイク真木。キャリアが長い割には“バラが咲いた”でしか語られないことも多いのだが、高田漣と組んだ昨年の『ハワイ唄』まで結構興味深い音楽を作り続けている人で。個人的にはカナリ好きな歌手ゆえ、LPやCDも色々買っては来たけれど、未CD化作品を数多く収録したこの編集盤には唸らされた。ま、キャリアを総括する盤とはいえ、70年代後半〜1996年まではレコーディング空白期間になってしまっているけれど。マアしょうがない。
元々日本版「モダン・フォーク・カルテット」の一員。トムズ・キャビンの麻田浩もメンバーだった。アメリカ仕込みのモダン・フォークを演っていて。ソロになって大ヒットを記録したM-1“バラが咲いた”を収めた『マイク真木 フォーク・アルバム』は当時の日本としては高水準な盤だと常々思っていた。モービル石油のCMソングとして鈴木ヒロミツの唄で知られるM-11“気楽に行こう”はムッシュの“どうにかなるさ”と肩を並べるジャパ・カントリー・スタンダード。同じくカントリータッチのアウトドア賛歌M-19“キャンプだ ホイ!”は小学校のとき歌ったな。
元妻前田美波里とのデュエットは、ジャパニーズソフトロックの名作として持て囃されたこともあった。名ボッサのM-13”眠りたいのさ”はその中の1曲。M-14“空には名前がない”(詩は安井かずみ、曲はムッシュ、編曲は大野克夫)も屈指の名曲ナリ。
で、マイクスの音。本編集盤には村井邦彦作の2曲M-8“ランブリン・マン”とM-9“夢の牧場”を収録。M-8はイントロはSatisfactionを流用、シタールも入ってくると言うサイケ風の音が新鮮。田辺あかねの女性ボーカルが入ってきて少し驚く。M-9はママパパの音を下敷きにしたフラワーなフォーク・ロック作品。ただしマイクの個性は皆無。
以前ブログで紹介した、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドのジョン・マッキュエーンがプロデュースした『BOROBORO 楽学』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20050530)もオススメ。