/ Time it was ( Red Engine Records RER005 / 2008 )
こんなのどうでしょう、という。先日のS&G来日の余韻もある今。アズテック・トゥー・ステップのS&Gカバー集。ラジオ局の収録におけるライブ・テイクなんだが、アコギが実にキレイに録れている好盤。ラジオならではの曲間のナレーションもあって。とても良い出来。
彼らもS&Gの影響下にあった、ってのが理解でき、ナルホドと思ってみたり。NYフォーキーの中でもポップな感性を持った両デュオだから。Rex FowlerとNeal Shulmanの二人の声はS&Gほど繊細でもないんだけど、本家と違って二本のギターの絡みを味わえるのが強み。さらに、ハーモニーも完璧!M-11”A Hazy Shade Of Winter”みたいなロック調の楽曲もアコギ2本でそつなく演ってくれている。M-27”Bridge Over Troubled Water”もアコギ2本で演るんですよ。十分聴かせてくれるのは流石!年季の入ったデュオは違う。とはいえ、フォークの範疇をはみ出したS&Gナンバーよりも、NYのコーヒーハウスの雰囲気を蘇らせるM-5”Bleeker Street”なんかがヤハリ良い。M-15”At The Zoo”とか”” 冒頭の”59Th Street Bridge Song”はAztecの”Baking”のウキウキ感と重なるものがあるなど発見も多いし。サイモンのサウンド志向がS&Gを並のフォークデュオに留めて置かなかったわけだけど、S&Gがデュオとして出発した当時のスタイルで今一度演奏される楽曲群、悪いはずがない。東京ドームみたいなデカイ箱も時に悪くないけれど、ちっちゃなコーヒー・ハウスでAztec Two-Stepをほっこり観て見たい、そんな気分にさせられる一枚。