いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
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『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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The Mitchell Trio

markrock2009-07-20

/ Alive ( Reprise RS6258 / 1967 )


モダン・フォークでは忘れられないグループ、チャド・ミッチェル・トリオ。ディランの”Blowin’ In The Wind”を初めてレコーディングしていたり、バーズのロジャー・マッギン(ジム・マッギン)がバーズ以前に客演していたりと60年代のフォーク・ロックを形作る面々との繋がりも興味深いし、”Take Me Home, Country Roads”など70年代にソロで一世を風靡するジョン・デンヴァーがメジャーデビューを飾ったのもこのトリオだった。もっとも、本盤のリリース時点でリーダーのチャド・ミッチェルは脱退し、オリジナル・メンバーはマイク・コブラックのみという状況ではあったけれど。チャドの脱退でグループ名もミッチェル・トリオに相成りまして。


さて、ライブ盤の体裁の本作。冒頭のA-1”Introduction and What This Country Really Needs Is Another Movie Star”ではニグロ!ニグロ!なんて連呼するものだからドキッとさせられる。1968年の大統領選に初めて出馬したムーヴィー・スター、そうロナルド・レーガンのことを歌っているのだろう。レーガンと言えば、公民権法に反対したほどの保守主義者。叩くには最適。プロテスト・フォークの伝統ナリ。


ビートルズのスロウなカバーB-1”She Loves You”もなかなか興味深いのだけれど、やっぱりジョンのオリジナルでしょう。中でもPP&MがヒットさせたA-2”Leaving, On A Jet Plane”の初出バージョンは必聴!ジョン自身もソロになってレコーディングする名曲。ジョンは「“カントリー”ロード」のイメージからカントリー歌手という位置付けだけれども、個人的にはカントリーと言うより清廉で瑞々しいフォーク畑の人という印象がある。


ところで、ミッチェル・トリオ。最後にはオリジナル・メンバーも居なくなってしまったが、ジョンと共にマイケル・ジョンソンがメンバーとなったのが興味深い。マイケル・ジョンソンと言えば、『There is a Breeze』『Ain’t Dis Da Life』『The Michael Johnson Album』などの好盤で知られる歌手。この人も、ジョンに遅れる形ではあったが”Bluer Than Blue”(Randy Goodrum作)など、70年代後半のポップカントリー・フィールドで大成功を収める。カントリー界にいながらにして、マイケルもジョンも、さほどコブシを回さないクセの無い発声。二人がフォーキーだった理由がミッチェル・トリオを聴けば判る。


最後に、John Demverが1966年に250枚制作した幻の自主盤『Sings』について。コレは存在を知らない人も多いかもしれないが、ご丁寧に音源をアップしてくれているサイトがあって。ビートルズエヴァリー、フィル・オクスなんかのカバーを収録。ビートルズをフォーキーに演るってのはRCAでのソロ・デビュー後の定番なんだけど、その萌芽がすでにここに。注目はジョン作の”Babe I Hato To Go”。後に”Leaving, On A Jet Plane”に改題される。

http://jdshigherground.homestead.com/1966JohnDenverSingsAlbum.html