/ Mirror ( Really Small Intertainment RS00303 / 2003 )
知らぬ間に廃盤になっていたようで。元The EaglesのBernie Leadon、初のソロ・アルバム。2003年リリース。出た当時はそこそこ話題になった気もするが、音に反したジャケが正直よろしくなかったのか、旧来のファンにしかアピールできなかった感もある。
Bernieと言えば、アクースティックなカントリー・ロックとしてのThe Eaglesを支えていた人物。例えばBBCでのThe Eaglesの初期ライブ映像と、近年の再結成ライブを比べてみても、Bernieの有無で全く異なるバンドサウンドになっていることが判る。さらには、Bernieが如何にThe Eaglesの中でデカイ顔をしていたかも、初期映像で確認できる。”Take It Easy”なんて、バンジョーソロを聴かないとどうにも聴いた気がしないし。
さて本作、プロデュースはEthan Jones。Stephen Stillsの息子Chrisの一世一代の大名盤『100Year Thing』やRay Lamontagneをプロデュースしたことでも知られる人物。アクースティックな音作りには定評がある。ドラムスにはDylanはじめ数々の大物とプレイしているDavid Kemper、ベースにはカントリー界の敏腕セッションメンMichael Rhodesが加わり、現代的なカントリー・サウンドを生み出している。
冒頭M-1”Vile And A Profane Man”がとりわけ良い。ブリブリとしたアコギが聴こえてくる、切なく痛快なカントリー・ロック。切れ込むエレキもまた良し。なんとThe Eagles時代に使っていた53年製テレキャスターを使用!M-2”Volcano (I Identify)”も完璧なカントリー・ロック・サウンド。コーラスにはRun C&W(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20070130)を一緒に組んでいたJim Photoglo(AORファンにもお馴染み)が加わっている。M-4”What Do I Own”はマンドリンとエレキの絡みが堪らない。割と売れ線なカントリーの作り。M-8”Rich Life”もその流れ。フィドルで深遠な響きを作り上げているM-5”Backup Plan”と、オープン・チューニングのラストM-10”God Ain’t Done With Me Yet”で息の合ったハーモニーを聴かせてくれるのは、歌姫エミルー・ハリス。M-6”Everybody Want”では生々しいロカビリーを演る。M-9”Hey Now Now”はマイナー調でNeil Youngみたいだと思ったり。まあこう言う音はウェスト・コーストの人々の共通言語なのかもしれないけれど。
久々にBernieを聴いたら、The Bernie Leadon・Michael Georgiades Band名義の『Natural Prpgressions』(1977)も聴きたくなってきた。Jimmy WebbがTOTOのドラマー、Jeff Porcaroの死を悼んで作った”Too Young To Die”(David Crosbyもレコーディングしている)で、Bernieのアコギを久々に聴いたと思ったけれど、それも16年前の事になる。