いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 Ian Tyson

markrock2010-11-26

/ Ol’ Eon ( A&M SP-9017 / 1973 )


今日、ふと気がつくとアクセスが20万を超えていた。本当に重箱の隅のようなブログでありながら、見ていただいている方がいるのだと思うととても嬉しい。一時期やめようかと思ったこともあるけれど、読んでくれる方が1人でもいる限り、続けていこうと思う。今後とも宜しくお願いいたします。


さて、SSWものを聴き込んだ向きには、70年代のどこでリリースされた盤であるか、ジャケットの質感だけでも、まして音を聴いたならば、誤差1年くらいで予想できるのではあるまいか。同好の友人もそんな勘を持っている。この盤は今日レコード屋で手にとって、1972年と踏んだけれど、1年ずれていた。


これはイアン・タイソンがカナダでレコーディング&リリースした初めてのソロ・アルバム。イアンと言えば、ニール・ヤングもカバーしたモダン・フォークの名曲”Four Strong Winds”を作り、歌っていたイアン&シルビアの片割れ。カントリー・ロック・ファンにはベアズヴィル録音の名作グレイト・スペックルド・バードでも知られたところ。こちらの盤もアレンジはイアン・タイソン&グレイト・スペックルド・バード名義になっているけれど、メンバーはギターのレッド・シア、スティールのピー・ウィー・チャールズにしてもあのベアズヴィル盤とは違っている。単にイアンのバックバンドに名付けた名前なのだろう。コーラスにはシルヴィアも参加しているがそれほど目立たない。プロデュースはアダム・ミッチェル。


さて、中身は大らかなカントリー・サウンドが実に心地良い。カントリーと言っても、ロック世代のカントリーといった風情が堪らない。ざっくりとしたアコギに始まる自伝的な作品”Blueberry Susan”なんて最高!パキパキしたギターも滑り込んできて。


B面もとにかく良い雰囲気。ポップで分厚いコーラスの入る"Love Can Bless The Soul of Anyone"は素晴らしい。カナダの大地を思い浮かべながら聴く、迫力のあるサウンド。70年代のフォーク、カントリーを愛する人なら、最高の気分になれるはず。よし、もう一杯珈琲を飲もう。