いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Pozo Seco

markrock2013-02-10

/ Shades of Time ( Columbia(Real Gone Music) / 1968 )


2013年の再発リリースとなったポゾ・セコの1968年盤。既にポゾ・セコ・シンガーズ名義で『Time』『I Can make It With You』という2枚のソフトロック調のフォーク・アルバムをリリースしていた。これは3枚目だが、ポゾ・セコ、と名前が短くなった分、メンバーも縮小。基本はドン・ウィリアムスとテイラー・パイ(スーザン・テイラー)の男女デュオの体裁になっている(数曲はロン・ショウがボーカルに加わる)。この頃こんなヒッピー風情を気取る男女デュオが流行っていたからかな。ディープ・ヴォイスのドン・ウィリアムスは後にカントリー歌手として大きな成功を収めている。10年くらい前にドンのベスト盤をオヴェイションのアコギを弾く写真に惹かれて聴いてみたところ、ジョン・デンヴァーまでとは言わないけれど、カントリー歌手には出せないそこはかとないフォーク・フィールを感じ取ったものだ。後にポゾ・セコのメンバーと知ったときは驚くと共にナットクしてしまったのだった。


いやはや、3枚目『Shades of Time』とても良いですね。ロックの時代に目配せしたいわゆる「フォーク・ロック」作品。ポール・マクニールの”Good Morning Today”に始まり、ディランの”You Ain’t Goin’ Nowhere”(歌い崩したナイスなアレンジにジョン・セバスチャンみたいなハープが加わって…)や”Spanish Harlem Incident”、ビートルズジョン・レノン)の”You’ve Got to Hide Your Love Away”やら、定番”Green, Green Grass of Home”にエヴァリーズの”Bye Bye Love”まで、元のアレンジを知っていると肩すかしを食うスロウなフォーク・ロックのビートで。他にも男女デュオの先輩格イアン・タイソンやソニー・ボノ、ローン・マッキンノン、レン・チャンドラーの曲を取り上げている。


さらに、この再発CDには1967〜1969年のキャッチーなシングル音源11曲が追加収録されていて、そちらも楽しめた。売れる気まんまんなウェス・ファレルのポップな”Excuse Me, Dear Martha”とか、シングル欲しくなっちゃった位。いや〜、ドンはほんと良いバリトンですよ。澄んだテイラー・パイの歌声が美しかった”Morning Dew”(ティム・ローズがレコーディングしたボニー・ドブソン曲)やカントリー/ケイジャンな気分のダグ・カーショウ作”Louisiana Man”がなんとも水を得た魚のようで。あとスーザン・テイラー自作の”Creole Woman”も耳に残るブルージーなリフを持ったカントリー・ロックの佳作だった。この頃(1969年)のシングルのプロデューサーはよく見るとタミー・ワイネットを手がけたカントリーの大物プロデューサー、ビリー・シェリル!ドンもソングライティングをこの頃手がけるようになったようだ。ただ、クライヴ・デイヴィスがプロモーションに力を入れてくれなかったようで、もちろん4枚目のアルバムも出ず、コロンビアを去ることになったとか。1970年に小レーベルCertronから4枚目、最後のアルバムをリリースして解散している。