/ Beyond Your Head ( United Artists UAS6770 / 1970 )
Boffalongoの2枚目。メンバーには後にJohn Hallと共にOrleansを結成するLarry Hoppen(ベース)とWells Kelly(ドラムス)がいた。他にはキーボードのDavy Robinson、Basil MatychakとギターにKeith Ginsberg(後にブルース・ブラザースのサントラでも弾いている)という面子。
Davy Robinson作のファンキーロックA-1”$1000 Week”でスタート。重厚なコーラスはCSNを思わせる。キーボードのBasil作のA-2”Pioneer Song”はカントリータッチのワルツ・バラード。Larry Hoppen作のタイトル曲A-3”Beyong Your Head”は、サウンドの基本はバーズなどを思わせる’60sフォーク・ロックなのだが、時折聴けるファンキーなテイストはこのバンドならでは、のもの。メロディは洗練されていて、リズムパターンが目まぐるしく変わる辺りも聴きモノ。Davy作のA-4”Snow White Lady”はゆったりとしたフォーク・ロック。さらに、Aメロが後のCarly Simonの”You’re So Vain”を思わせるラリーのA-4”Endless Questions”は佳曲。流石に才能がほとばしる。A面ラストはDavy作のインストの長いブルーズA-5”Galaxy Glide”。
B面はフリーキーなロックB-1”Hard To Keep From Cryin’”でスタート。ダウナーなBasil 作B-2”Sleepy Time Guy”には”Wooden Ships”なんかを思い出す。CSNと言えばLarry作のB-4”Cold Town In Winter”はフォーキーな、めっけものの名曲。後半、3声で展開する辺りは、CSNファンは必聴。
しかしなんと言ってもB面は、Wells Kellyの兄Sherman Kellyが書いたB-3”Dancing In The Moonlight”のオリジナル・ヴァージョンが収められていることに尽きる。後にLarry HoppenやWells Kellyが演奏に加わり、Davy Robinsonもメインに居座ったKing Harvestで1973年に大ヒットを収める事になるこの曲、ピアノの印象的なイントロはないけれど、曲構成はKing Harvestとそう変わらない。いい曲は時代を超えている。YouTubeではオリジネイターであるShermen Kellyのリメイク・ヴァージョンが聴ける(http://www.youtube.com/watch?v=rKGR92xRdVM&eurl=http://www.fingerlakesrecording.com/vclips.htm)。
さて、King Harvestだが、後のA&M盤ではPeter CeteraやMike Love、Carl Wilosnも参加。キーボードのRon AltbachとDavy RobinsonはMikeのバンド、Celebrationにも参加した。