/ Revolution of the Heart ( SPV / 2005 )
やはりとてつもないポップライターだと改めて。ジュニアの名前ばかり聞くアルバート・ハモンド親父の最新作。9.11の米同時多発テロに影響を受けて作られた、パーソナルで割と重苦しめの作ながら、ポップなメロと多彩な楽曲に圧倒される。そう言えば80年代以降は専らメインストリーム系の売れっ子ソングライターとしての顔が目立っていたわけで。全然衰えてなんていない。
コノ作、デンマーク録音のヨーロッパ発売だっただけに、国内で割高だったため手をつけていなかった。やっと入手。
ジェリー・ゴフィンと共作したホッとするバラードM-14”I’ll Be Here For You”と自身で書いたサブタレニアン・ホームシック・ブルースっぽいM-12”There Ain’t No Flies On Me”の2曲を除いた12曲全て、レオ・セイヤーとの共作。レオはかつてハモンドの書いた”When I Need You”を全米・全英No.1にしている。ハーモニカでも参加。
社会派で行くならディラン、という黄金律があるのかどうか知らないが、それっぽい曲も散見できる。”I was blue, bluer than B.B.King”なんて歌っているM-8”I Was Blue”とか。他にもフォークっぽい仕上がりの作も多い。
エイティーズ風味なM-1”This Side Of Midnight”は懐かしい気持ちにさせられるサビが肝。宇宙の中心で恐怖を叫ぶってなM-3”The Center of the Universe”では魂のシャウト。タイトル曲M-9は後期ビートルズな作。M-13”History Will Be My Judge”は神々しささえ漂わせる佳曲。ここまでメッセージ性が強い作品でありながら、このポップさは何なんだろう。