/ That Lucky Old Sun ( Capitol / 2008 )
古巣キャピトルに戻ったブライアンの新作。とり合えずメイキング+スタジオライブDVD付紙ジャケ仕様を入手。ジャケからして近年の充実ぶりを物語る明るい作。9月に入ってからはリピートしている所。『Smile』もやらざるをえない仕事だったとは言え、そこまで胸が高鳴らなかった私。アルバムとして聴くのは厳しい『Getting’ Over My Head』は問題外として、個人的には『Your Imagination』以来の充実作かと。
そう言えば、デニスの『Pacific Ocean Blue』の再発(『Bamboo』入り)もなかなか悪くなかったのだが、ブートでずっと聴いていただけあって驚きはそこまで大きくなかった。それよりもこうしたエイジレスな新作トータルアルバムをぶつけて来るブライアンのクリエイティビティに驚かされる。
サッチモなんかで知られるスタンダード”That Lucky Old Sun”(タイトルにもなっている)にヴァン・ダイク・パークスと共作したナレーションを挟み込んだ本作、ビーチボーイズを思わせる快活なポップソングを多く含んでいる。何れも甲乙付けがたいのだが、懐古趣味的なM-5”Forever She’ll Be My Surfer Girl”(スコット・ベネットとの共作)がどうにも良かった。メキシコ的な味付けのM-7”Mexican Girl”も気に入った。荘厳なバラードM-14”Midnight’s Another Day”はブライアンにしか作れぬ力作。亡くなった兄弟に送ったと思しき鎮魂歌M-17”Southern California”も沁みた。
ちなみにDVDのスタジオライブ、キーボードを前にしてのカラオケ状態は相変わらず。