/ I Never Sang For My Father ( Bell / 1971 )
渋谷のハイファイ・レコード・ストア。先月から自分のアルバムを置かせてもらっている。そのお礼にと思いつつなかなか足を運べなかったのだが、やっと行く事ができた。整然とした店内に所狭しと並べられたセレクトしつくされたレコード達。ピカピカに磨かれたレコードと丁寧なポップを読むだけで、音楽愛に満ち溢れている。店長の大江田さんはいらっしゃらなかったけれど、はじめてお目にかかる松永さんにお礼を伝えることができた。なんだかとても緊張した。
いくつかレコードをピックアップした。ちょうどセール中で、レオ・セイヤーのソングライティングで知られるライターの『David Courtney’s First Day』とかDanny Coxがゲイリー・アッシャーのTogetherレーベルで吹き込んだ2枚組『Birth Announcement』あたりは700円くらいで入手できた。うれしかった!
あと、今日取り上げる1枚も今まで海外オークションで高いなと思いつつスルーしていた1枚。『Lay It All Out』期のバリー・マンがアル・ゴーゴニと一緒に作ったサントラ。タイトル曲”Strangers”だけはバリー・マンとシンシア・ワイルの共作で、ロイ・クラークが謳っている小品。ジミー・ウェッブの『The Naked Ape』を初めて聴いた時のような、誰も知らない感触。激しい展開が少なく、アコースティック・ギターの音色が美しい楽曲も多くって、かなり好みかな。輸入DVDはあるようだが、ジーン・ハックマンらが出演したこの映画を観ることはなかなか難しいかもしれないけれど。
タイトルからして、親世代と交わらない若者を描いているようだけれど、裏ジャケのストーリーを読むと、やはりそんな感じ。ユダヤ人と結婚した主人公の姉が縁を切られたり。いつの時代もあったはずだけれど、とりわけ50〜60年代的なテーマかな。交わろうと努力するけれど、交われず、分かり合えない若者の葛藤を描いている模様。
バリー・マンのファンなら聴いておいてもいいかな、という盤。