/ this kind of love ( HEAR MUSIC / 2008 )
結局元夫のジェイムス・テイラーと同じレコード会社へ。ポール・マッカートニー、ジェイムス・テイラー、ジョニ・ミッチェルの新作がリリースされたヒア・ミュージックよりカーリー・サイモンの新譜。前作『Into White』も凄くいい仕上がりだったし、しかも今作はジミー・ウェッブがアレンジやプロデュースに加わってもいるし。取りあえず購入。そう言えばジミーとは1994年の『Film Noir』でも素晴らしいコンビネーションを披露してくれた。また、ブライアン・ウィルソンのトリビュート・ライブでジミー、カーリー、デビッド・クロスビーの三人で”In My Room”を聴かせてくれたこともあった。
冒頭M-1”This Kind of Love”から大人のバラードをしっとりと聴かせる。優しいメロディを持つM-2”Hold Out Your Heart”も癒される仕上がり。そうかと思えばラップを聴かせるM-3”People Say A Lot”や、息子のベン・テイラーもソングライティングに加わったブラジリアンM-6””Hola Soleil”なんてのもあったりと多彩。ベンの提供曲、M-4”Island”はグラアム・ナッシュの近年の作品にこんなのあったなという感じ。娘のサリー・テイラーもM-8”When We’re Together”を書き送る。
個人的に気にいったのは、ジミー・ウェッブの抑制されたオーケストレーションが見事なM-5”How Can You Ever Forget”。作曲はベン・テイラーのソングライティング・パートナーであるデビッド・ソウ(http://www.myspace.com/davidsaw)。カーリーの前作でも彼の曲が取り上げられていた。こんなこと言ったら怒られそうだが、この人はベンよりも才能があるかも。ケヴィン・ベーコンがプロデューサーとして加わったソウの1stも今年出たが要注目。あとは、典型的なコンテンポラリー・ポップスに仕上がったM-9”So Many People To Love”もなかなか。キャロル・ベイヤー・セイガーとの共作。ウェッブの新曲M-11”The Last Samba”も嬉しかった。