*[45s] The Flying Machine / Night Owl / Brighten Your Night With My Day ( Rainy Day Records / 1967 )
前回のジェイムス・テイラーをもう少し遡ってみよう。今回はジェイムスが結成したバンド、フライングマシーン(英のトニー・マコウレイ楽曲を歌ったグループでは無い)の1967年のデビューシングル。手元にある45sは相当擦れていてボロボロだ。フライングマシーンのドラマー、ジョエル・オブライエンと、ギタリストのダニー・クーチはNYのバンド、キング・ビーズでRCAビクターより4枚シングルを出していた。その二人が結成した新グループのボーカルに迎えられたのがジェイムス。フォーク・デュオ、ジャスト・アスを組んだアル・ゴーゴニとチップ・テイラーに売り込んだのがデビューのきっかけ。アルそしてチップがいかに当時の大物だったかは、60年代後半から70年代初めのレコードを集めているとよくわかる。流通はJay-Gee(Jubileeの傍系)。両面とも後に再演されるけれど、ここでの「Night Owl」はトレイド・マーティン(だけにファンキー!)とアルが、「Brighten Your Night With My Day」はアルがアレンジし、プロデュースはチップとアルが手掛けている。制作の「テイラー・ゴーゴニ・プロダクションズ」の「テイラー」は、ややこしいけれど、ジェイムスではなくチップ「テイラー」。レーベル名「Rainy Day Records」はきっとジェイムスの曲「Rainy Day Man」から命名したものだろう。なかなかしゃれている。このレーベル、チップのソロ、アリス・クラーク、キャシー・マッコードなんかのシングルのみをリリースして消滅した。ちなみにジョエル・オブライエンはムーギー・クリングマンとのグリッターハウスに加わった後、クーチとジョー・ママを結成し、ジェイムスやキャロル・キングとツアーに出た。そしてフライングマシーンのもう一人のメンバーはファンキーなベースを奏でたザック・ワイズナー。きっとジェイムスの手引きだろう、ジェイムスの妻(だった)カーリー・サイモンのアルバム『Another Passenger』(1976年)にザックの楽曲を2つ、ひっそりと収めた。
(この写真では左から、ジェイムス、ダニー、後ろにジョエル、そしてフィフス・アベニュー・バンド[当時ストレンジャーズ]のジェリー・バーナム)