/ 最初の花 ( Ren’s Records / 2004 )
高田渡、南こうせつ(かぐや姫)、小室等などフォークシンガーのサポートで知られる佐久間順平のソロ作。ギター、マンドリン、フィドルと何を弾かせても上手いこの人、それだけじゃなく歌も上手いってんだから、全くこれが唯一作だと言うことが信じられなくなる。
今から8年ほど前だろうか。世話になっていた某レコード会社の社長に連れられて行った瀬戸口修(「ノブはボクサー」で知られている人)ライブ。そこでサポートに加わっていた佐久間さんを観たのが初体験。実に的確な歌伴プレイ。流麗なギターの音色が何とも素晴らしいと思えたのだ。
それから大分経ってから、佐久間がヒルトップ・ストリングス・バンドなどで近しい関係にあった高田渡が亡くなり、彼の追悼ライブにて今度はソロでの演奏を聴いた。これまた素晴らしかった。(ちなみに『高田渡トリビュート』に収録されている”夕暮れ”は一聴の価値アリ)
本作はライブ盤ながら、アコギがかなり良い音で録れている。オススメは、林亭の再演M-4”さるまたの歌”(金子光晴詩)とM-5”酒飲みの唄”。竹田裕美子がピアノで客演するラストのM-8”What A Wonderful World”もご機嫌。
ところで、彼のキャリアのスタートとなった林亭の『夜だから』も捨てがたい。現ハイファイ・レコード・ストア店主の大江田信とのデュオだが、高田渡の方法論で素直に日本語によるアメリカン・ルーツミュージックに取り組んだこの作品は評価されて然るべき。