/ The Circle Game ( WT 5110 / 2007 )
/ One Man Band ( 2007 )
/ Shine ( 2007 )
出た時の印象を言えば、ウーン、胡散臭い、とマアそんな印象の共演ライブ盤。1970年、ロンドンはロイヤル・アルバートホールでの音源。一応ブートじゃなく正規盤です。音としては既に聴いたことがあるものも多いのだが、ライブを通した臨場感みたいなものも感じられる。最近出たジェイムス・テイラーの、CD&DVDでの弾き語りライブ盤『One Man Band』のMCでも触れられていたけれど、JTとジョニの蜜月期を収めたブツだ。
ちなみにそのJTの新作ライブ盤、DVDも付いていてお買い得なわけだが、その出来にはかなり不満足。曲を作った時の思い出なんかと共に聴くJTの名曲は確かに格別なのだが、ボーカルのコンディションが十分とは言い難い。あの”Fire and Rain”や”You’ve Got A Friend”ですら全然歌えてないのだから、結構深刻。マアそれだけ深く聴きこんだJTだからこそ、気になってしまうのだけど。
一方、近年のジョニはと言えば、ハービー・ハンコック単独のトリビュート作や、ビョークやプリンス、エルヴィス・コステロにカエターノ・ヴァローソら多数のアーティストが参加したトリビュート作など、引退宣言をすればするほど高まる評価…というワケで昨年はHear Musicから5年振りの新作『shine』をリリース。やはりこの才能を世間は放っておかない。「アリー・マイ・ラブ」のクリスマスソング集なんかにも収録され、JTはじめ最近ではマイケル”Summer Rain”モンローも新作でもカバーしてスタンダードになりつつある”River”なんて本当にジョニの才能を再確認させられる名曲だったし。
『Shine』の中身はと言うと、70年代からのファンだったらまず、M-6”Big Yellow Taxi”の再録に目を奪われるだろう。ジョニ自身のアコギも往時のビートを保っている。声は少し太くなったけれど、この曲のメッセージが現代にも失われていないことに気付く。7分余りに及ぶタイトル曲M-9”Shine”にはただただ感動。大地と融合するかのような落ち着く音。ジャケも凄いよ、コレ。
さて少々脱線したが、ここで本題に。そんなジョニやJTの、才能を開花させた若かりし頃のライブ、悪いわけがないのだ。音もかなりクリアだし。JTは再デビューを飾って間もない頃と言うこともあり、アップル時代の盤からM-7”Carolina In My Mind”、フライングマシーンでも音源が残っているM-3”Rainy Day Man”なんかを披露。M-7に引き続いてプレイされるジョニのM-8”California”なんていい感じですヨ。
感動的だったのは、CDのタイトルになっているM-10”Circle Game”とM-11”You Can Close Your Eyes”のデュエット。シンプルな音の屋台骨になっているのはやっぱりJTか。JTと銀色の歌声とJ-50の低音。この組み合わせが一つの時代を作ったのだ。