/ Classic Songs My Way ( Decca / 2007 )
痛快作。『ロック・スウィングス』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20060617)の続編。ただし、前作があまりに凄かったせいかそこまでの衝撃は無いかも。(ちなみに前作のレビューで「加山雄三あたりにも頑張って欲しい」と書きましたが、加山も70歳にして全曲オリジナルという新作を出して来ましたね…)
しかしそれにしても、エイティーズ・ナインティーズなロックの名曲をスウィンギーに熱唱するというこのアイデアが出てきた時は流石に驚いた。マイケル・ブーブレなんかよりも迫力アリ。ブーブレも一応毎作買ってますけどね。
キラーズM-3”Mr.Brightside”なんかは前作通りうまく演っている。冒頭のシンディ・ローパーのM-1”Time After Time”、原作にある女心の繊細さが減じられてはいるものの、勢いはある。湾岸戦争時に大ヒットしたブレンダ・ラッセルのM-2”Get Here”はスタンダードに成り得る(もう成っている?)作品。アレンジも凄く良い。
その他、フォリナー M-4”Waiting For A Girl Like You”、デュラン・デュラン M-5”Ordinary World”、ブライアン・アダムス M-6”Heaven”、ダニエル・パウター M-7”Bad Day”、ビリー・ジョエル M-8”I Go To Extreme”、ジョニ・ミッチェル M-9”Both Sides Now”、ボブ・シーガー M-12”Against The Wind”までを堂々と料理。ダニエル・パウターまで演る必要あるのか?と思ったが、そこは大分雰囲気を変えていて、先輩としてのプライドも覗かせる。
嬉しかったのは、個人的に大好きなSSW、マーク・コーンのデビュー作よりM-11”Walking In Memphis”を取り上げた事。アメリカ音楽の粋を集めた楽曲の素晴らしさに打たれる。
自身の代表曲M-10”You Are My Destiny”、M-13”My Way”はそれぞれ後輩マイケル・ブーブレ、ジョン・ボン・ジョヴィとデュエット。無難盤。