/ ゴールデン・ヒッツ (2007)
加藤和彦と坂崎幸之助。フォークル再結成に引き続く新譜。ただしフォークルの味を期待するとガッカリさせられるかも。二人の音楽的引き出しを出し切った感のあるパロディ集。音楽よりむしろアートワークに時間と金をかけたような気も。まあこれだけのキャリアを持ちながらコレをやろうとした余裕に乾杯。素人には出来ません。
この曲の元ネタは〜なんて気にもならないのは余りに直球勝負だから。60年代〜70年代フォーク・ロックのまばゆいばかりの栄華にワカモノの目を向けさせたい気持ちもあるのかも。
S&G”Bleeker Street”風M-1”生命”、M-12のラスト”みんなの地球”はきたやまおさむ作詩のフォークル続編。が、そこまで突出した出来でもない。M-2”サタデイナイト・ムービー”は恥ずかしくなるほどミセス・ロビンソン。となると高田渡M-3”鎮静剤”のフォルクローレ・カバーが聴きモノか。これは良い。
永六輔・中村八大というスキヤキコンビのM-4”黄昏のビギン”、M-11”見上げてごらん夜の星を”を取り上げたのは先達への敬意か。世界水準の歌謡。山上路夫作詞の2曲も、詩のレベルに劣る本作を多少救っている。バカラックなM-5”Sensored Mail”は面白い。初期アルフィー風M-7”Her Hometown”も良い(ギブ兄弟のマサチューセッツが挿入)。なんだかんだジョン&ポールというよりピーター&ゴードンなM-6”バラバラふたり”は耳に残った。加藤さんのシックスティーズものの歌謡曲ってデモテープではこんな風に歌ってたのかな、なんて。ちなみにサージェントペパーものは良かったけど、CSNものについてはもっともっとロックアレンジで聴きたかったかも。