/ Other Covers ( HEAR MUSIC / 2009 )
昨年そこそこ話題になった、JTによるカバー盤『Covers』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20081004)。今回紹介する『Other Covers』はボーナス・レコーディングと称した後続ミニアルバム、つまりアウトテイク集。きっと曲選びで色々頭を悩ましたんでしょう。『Covers』に収録されなかった曲の出来もそうそう悪くないし、だったら出しちゃえ!ってとこでしょうか。しかしながら、先のカバー集に全く劣らないのだから感心してしまう。
ロジャース&ハマースタインのM-1”Oh, What A Beautiful Morning”がなんとも良い。彼らしいアコギのアレンジで聴くスタンダード、本当に素晴らしい。日曜の昼下がりに聴ききたいなぁと思い、先週末取り出して聴いていたのであった。さらにトム・ウェイツのM-4”Shiver Me Timbers”。『The Heart Of Saturday Night』に入っていた佳曲。この頃のウェイツは最高だ。
前作もそうだったけれど、彼のルーツともいえるドゥ・ワップ〜ソウルなどの黒っぽいカバーが多いのが本盤の特色。シルエッツのM-2”Get A Job”やらチャック・ベリーのM-3”Memphis”やら。まあ元々アイズレーに”Don’t Let Me Be Lonely Toninght”をカバーされたり、JTもマーヴィンの”How Sweet It Is (To Be Loved By You)”をヒットさせたりと、ソウルとの親和性は知られているところ。しかしそれにしても痺れたのは、スタックスもののM-6”In The Midnight Hour”とM-7”Knock On Wood”。M-7はブラジルのみでリリースされたライブ盤『Live in Rio』でも演ってましたが。
そう言えば、最近ジョー・ママ&キャロル・キングを従えた1971年のBBCライブのブートDVDを入手したのだけれど、後半はJTがセミアコなんぞを弾いたりと、近年のイメージとは違ったギンギンっぷりに驚いたりも。