/ 回廊 ( BMG / 2006 )
2005年より流れた資生堂マキアージュのCMソングM-1”My Brand New Eden”がどうにも気になってしまっていて。「My Brand New Eden ひとさじで」って言う歌詞がどうにも「毎晩脱いで きっと刺して」と聴こえてしまう。なんだかエロティックなイメージを喚起させるこの歌、’60s〜’70sな雰囲気がなんとも懐かしい。ビートルズっぽいかと思えば、シーカーズの”ジョージー・ガール”みたいだったり、エレクトリックシタールって言う個人的にはそれだけでご馳走様、ってな楽器が入っていたり。アレンジの元ネタ探しをする気もしませんが、12弦の間奏とかもたまらん。クレジットを見るとやはり曲は中谷靖という外部ライター。勝負曲ナリ。
本盤はメジャーデビューのミニアルバムだが、曲がほんと良い。レトロポップ好きにはたまらないものがある。M-2”IRONY”にはビーチボーイズ”Good Vibration”のテルミンフレーズが飛び出したり。とは言え今のチャートを意識した音作りに纏めてるところは流石。
さらに、M-3のバラード”各駅停車の恋”がとてもいい。かなりオーソドックスな王道ピアノ系J-POPなのだが、たぶん生で聴いたら意味も無く泣くと思う。サビ、小田和正的なマイナーの収束が泣きを生む。M-4”ハイヒールの丘”はタマル自身によるメジャーセブンスなアコギカッティングが印象的だが、これが本来の色かも。さらにM-5”手”は映画『ユメ+夜』主題歌だと言うが、ちょっと若作りか。このエイティーズな音も元ネタは…と言いたくなるが、我慢しよう。M-6”さよならドミノ”はレゲエビート。なんだか切ない気分になる。ラストM-7”秘密の静寂”はドライブ感アリ。だが、ううむ、ヤハリ冒頭3曲が良かった。
メジャーデビュー前、江戸屋レコードからのミニアルバムも聴いてみたが、そちらはイマイチ。イメチェン?とすら感じられた。今ノリに乗っている所恐縮ながら、弾き語りで改めて聴いてみたい人。エミルー・ハリスやウィリー・ネルソンを聴いていたらしいし。