/ Without Rhyme Or Reason ( GRP 9518 /1980 )
キース・ジャレットの実弟、スコット・ジャレットの唯一作。これがSSWファンにはたまらない内容。CDで愛聴してきた盤だったが、先日100円箱でLPを発見し、思わず買ってしまった。GRPということで、デイブ・グルーシン始めマーカス・ミラー、ラルフ・マクドナルド、そしてキース・ジャレットなどフュージョン、ジャズミュージシャンがバックを務めるが、スコットのテイストはあくまでフォーク。絶妙なバランスでフュージョンの音とアコギがブレンドされている所がニクイ。
A-1”Miles Of Sea”はアコギのアルペジオがくっきりしていて、サビではクリアなコーラスが気持ちいい。メロがちょっとクロスビー&ナッシュみたい。A-2”I Was A Fool”はマーカス・ミラーのチョッパーがアコギと絡むのが新鮮。AOR的な音で、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーが割とかっちりしたバッキングを付けた時を思わせる。A-3”Never My Fault”ではキースのピアノが彩りを添える。サンバっぽいタイトル曲A-4がカッコイイ。アコギでのギターソロ含めて流麗です。A-5”On Looking Back”はエレピが入るあたりも70年代のポール・サイモンみたいなメロのフォーク曲。B-1”Doctor / Nurse”はファンクっぽいが割とサラッとしているのはスコットの色か。B-2”Lady”はアコギのアルペジオとエレピの絡みが美しすぎる大名曲!高度なハーモニーにジャズっぽさもあり、この盤イチのオススメ曲です。B-3”Image Of You”もエレピの音がノスタルジーを掻き立てる佳曲。ほんとGRPものってもちろん時代を感じさせる音ではあるが、クリアでいい録音だと思う。アコギのソロがたまらなくいい。ラストB-4”Pictures”は再びキースのピアノが印象深いバラード。まろやかなスコットの歌声は何度聴いても極上の時間を提供してくれる。