*[日本のフォーク・ロック] 鈴木茂 / COSMOS'51 2021 SPECIAL EDITION ( NIPPON CROWN / 2021 )
鈴木茂『COSMOS'51』の2021 SPECIAL EDITION。昨年7月七夕にリリースされてから、よく聴いている。オリジナルはPANAMから1979年に出た5作目。ちょうど私が生まれた年でありますが(笑)この2021年スペシャル・エディションは何といってもリマスターされた音が良すぎ!ビックリ!茂さんのこだわりを感じさせる再発でした。現在シティ・ポップと表現される都市型ポップ・サウンドを力強く押し出した一枚。ロバート・ブリル、高橋幸宏、小原礼、佐藤準、笛吹利明、斉藤ノヴ、ペッカーといった腕利きに加えて、トム・スコット、アーニー・ワッツ、シーウィンド・ホーンズ(ジェリー・ヘイ)、デヴィッド・キャンベルも参加。同時代のアメリカのモダン・ソウル、フュージョン、そしてそれらを採り入れた新しいロックの象徴だったTOTO辺りと近似するシャキッとしたポップ・サウンドを構築。そこに茂さんのナイーブなボーカルがマッチして、個人的にも愛してやまない一枚に仕上がっている。冒頭の2曲”君はだまていても嘘をつく”や”あと5歩で君のくちびる”でスパークいたしまして、アレンジによってはフィリー・ソウルにもなりそうなメロが最高な”Galaxy Girl”とかも、好きですね。
しかもこの再発盤、7曲のバッキング・トラックに加え、2021年の新録”UNCHAINED MELODY”のカバーと、茂さん本人からのコロナ禍をふまえたメッセージ・トラックもボーナス収録。元気をもらえました。ライチャス・ブラザーズで有名な”UNCHAINED MELODY”ですが、これ1曲のためでも買いだと思った次第。大滝さんが聴いたらどう評しただろう、と思う程のボーカリストとしての完成に、ただただ喝采!