/ With A Little Help From My Friends ( Rev-ola / 1968 [2009] )
夏休みらしきものが取れないまま、8月も後半に差し掛かりまして。トニカク暑い。
さて、ここ何ヶ月の間に買ったものの紹介していないCDも沢山あって。たまたま今日取り出したのは、ヤング・イデアの1968年盤。LP未収録のB面曲も追加したRev-Olaからの文句なしの再発盤が出て。アビーロード産、トニー・パーマーのプロデュース。
個人的にはイギリスの盤はさほど好んで聴かないけれど。ビートルズをはじめとしたブリティッシュ・ビートものは別格として。この作品は言わずと知れたビートルズの”With A Little Help From My Friends”をシングルカバーして1967年にUKチャート10位のヒットにしたグループの唯一作。ダクラス・マクレー・ブラウンとトニー・コックスのデュオ。当時はシングルカットしなかったレノン&マッカートニーのアルバム曲をシングルにするだけで、ヒットしたのだ。ジョー・コッカーのようなオリジナリティのあるカバーではないけれど。ちなみに、ホリーズとツアーする中で書き送ってもらったというクラーク-ヒックス-ナッシュのキャッチーな”Peculiar Situation”(一聴してホリーズ・ライクなフックを持つ佳曲)も含んでいる。
全体的には1967〜68年という時代性もあってか、グループ名からしてそうだけど、フラワー風味のイギリス産ソフトロックという感じ。ロックバンドというよりボーカル・デュオなので。
でも、注目したいのは、それ以外の殆んどを手がけた二人のソングライティング力。これは、未発表曲として今回収録されたM-17”The French Horn”を書いたトニー・ハザードと比較しても劣らない。M-2”Games Men Playのように、”実にイギリス人らしいマイナー・メロディを駆使した巧みなソングライティングは見事と言うほか無い。
他にも、12弦ギターを使った疾走感のあるソフトロックM-3”The World’s Been Good To Me Tonight”やライチャス・ブラザーズのような盛り上がりを見せるM-9”Just To Love Her”、ホリーズっぽいブリティッシュ・ビートものの王道M-11”Room With A View”、初期ビートルズのような甘酸っぱいオールディーM-12”Tar And Cement”など多彩で魅力的な楽曲群。M-8”In Bond Street”のサビにはなんだかポップなドノヴァンを思い出してしまったり。
トニー・コックスは後にプロデューサー/アレンジャーとしてイエス、キャラヴァン、トゥリーズ、マグナ・カルタを手がけることになる。