*[イージーリスニング] ポール・モーリア / ビートルズの世界(Paul Mauriat Beatles Album)( PHILIPS / 1974 )
レコードを買い続けることは、新たな発見の繰り返し…いや本当に。最近クラシックのレコードの音の良さに今更ながら気付いて感心してしまった。YouTubeでクラシックとかは流石に聴く気になりませんので。その延長線でムード音楽の類もマントヴァーニだとか買ってみてるんですが、オーケストラの弦の厚みが凄すぎる。普段使われていない部分も含めてスピーカーが全力で鳴っていて、往時のステレオ設備が何のために技術革新を遂げていたかも理解できたり。で、久々に取り出したポール・モーリア。彼のアレンジって結構プログレッシブですよね。横尾忠則ジャケの『亡流喪痢唖(ポール・モーリア)R&Bの素晴らしい世界』っていうヒップな一枚もありました。
で、今回は『ポール・モーリア・ビートルズの世界』。『Let It Be』を模した安易なジャケが笑えますが(ユニオンジャックの別ジャケもあるのでこちらは再発?)、”ミッシェル”の優雅なストリングスを聴くだけでポールものとの相性の良さを感じさせる。ただ、それのみならず、ドラムとベースを加えてロックなダイナミズムで表現された”ヘイ・ジュード”、エグいエレキも入った”レット・イット・ビー”だとか、コーラス入りのヒップな”ゲット・バック”とか…才気走っております。ジョージ・ハリスンの”マイ・スイート・ロード”とか(これも最高!)、メリー・ホプキンの”Goodbye”も入れて、広義のビートルズ・アレンジ作品に仕上がっている。こういうレコードはなぜか中古屋だと100~500円とかですから、眠れぬ夜のお供にぜひ!