*['60-'70 ロック] Wings / Same (Dunhill /1968)
毎日地獄のような暑さですね…マスクが暑さに拍車をかけて。加山雄三さんが倒れたというニュース、心配です。たまたま持っていない加山さんのレコードを改めて集めていたところだったので驚いた。今日もレコが届く予定。回復を祈りつつ聴きます。
さて、久々にダンヒルの棚からWingsの唯一作『Wings』を聴いている。1968年にスティーヴ・バリがプロデュースした、ママス&ザ・パパスの二匹目のドジョウを狙ったようなフォーク・ロック・バンド。ポール・マッカートニーのウィングスとは別物。ただ、メンバーは結構凄くて、スパンキー&アワ・ギャングからオズ・バッハ、ジェファーソン・エアプレインの初代ドラマーだったジェリー・ペロキン、セレンディピティ・シンガーズ(カルトなSSWのニック・ホルムズも在籍)にいた紅一点パム・ロビンス、この後マウンテンに客演することになるキーボーディスト、スティーヴ・ナイト。そしてP,P&Mの” I Dig Rock And Roll Music”をポール・ストゥーキーらと共作したジム・メイソンという布陣。
音的には、ママ・パパとは違って男性ボーカルの存在感が強い印象。中にはフォーク・ロックを飛び出して70年前後のカントリー・ロックに繋がるような音もあったりする。スティーヴン・スティルスもそうだったけれど、グリニッジ・ヴィレッジにカントリー・ロックに繋がるタネもあったということになる。
で、一番気になるのは、ジム・メイソンが入る前にギターを弾いていたエディー・サイモン、そう、あのサイモン&ガーファンクル(S&G)のポール・サイモンの弟だったということ。S&Gといえばフォーク・ロックといえど、この時代別格だった。ポールと同様ブリル・ビルディング時代から音楽活動を始め、ポールと似た声色を持ったエディーがなぜWingsを去ったのかは不明。ジム・メイソンはドラマーのジェリー・ペロキンとウェブスターズ・ニュー・ワールドというバンドを組んでいた(コロンビアとRCAからシングルを4枚リリースしたが、アルバムは出せなかった)から、その縁でWingsに招かれたのだろう。