テキサスのシンガー・ソングライター、ボビー・ブリッジャーの1973年RCAからの2作目。60年代後半にはカントリー寄りのレーベル(何しろロイ・オービスン、クリス・クリストオファスン、トニー・ジョー・ホワイト、そしてディキシー・チックス!)という印象のモニュメントからシングルをリリースしている。今作はRCA、そしてテキサス出身というだけで無骨なカントリー寄りの音を予想してしまうけれど、バックアップがレッキングクルーだから、という理由で聴いてみたところ、素晴らしい仕上がりだった。ハル・ブレイン、ジョー・オズボーンの良い仕事。そこに、ニール・ダイアモンドやマーク・ノップラー、ビリー・ジョエルなんかのバックをやっていたリチャード・ベネットのギター、そしてスプーナー・オールダムのピアノなんかが入る。マキシン・ウィラード、ジュリア・ティルマンらのソウルフルなコーラスも。ロン・クレイマー制作のカリフォルニア録音。割とウェットでスワンピーな楽曲と、音のカラッとした響きのバランスが抜群に良い。ロスト・ゴンゾ・バンドやボビー・ゴールズボロなんかにも楽曲提供をしていたみたいだけれど、良い時代のスリー・ドッグ・ナイトを思わせるような良質のスワンプ・ポップを展開している。サイモン&ガーファンクルのような繊細なフィンガー・ピッキングのフォーキーな曲もアリ。S&Gもレッキング・クルーですから似ているのも当然。素晴らしい!そして今も現役(http://www.bobbybridgermusic.com/band/)。