いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 Charlie Starr / Tough & Tender(Prophesy Records / 1971)

markrock2015-07-16




行きつけのレコード屋で会計を済ませた後「こんなの持ってますか?」と聴かれたのが盲目のSSW、チャーリー・スターの『Tough & Tender』ジェイムス・テイラーキャロル・キングなどのスワンピーなカバーも含む大好きな盤だ。



「それ大好きで持っています!」と答えるとどうも店長さん、A-1にちょっとだけビニヤケがあるので、プレゼントしようと思っていたらしい。こんなご厚意を無にしてはならないので、お礼を言って有り難く頂いた。

家に帰って久しぶりに聴いてみると、改めてとても良い。プロモ白盤で持っていた盤よりもボーカルやドラムスの音圧が高くてビックリした。ジェイムス・テイラーの"Riding On A Railroad"に始まり、ゴスペル・タッチに盛り上がるゴフィン&キングの"Sweet Sweet Sweet"、ジョニ・ミッチェルの"For Free"、ジョン・ストロール&ボビー・ワインスタインの"Coffee And Donuts"、そして再びJTの"One Man Dog"(本アルバムにサンクス・クレジットまである)と続くA面は息も尽かせぬ完璧な流れ。



ソングライター・コンビ、ジョン・ストロール&ボビー・ワインスタイン作品はB面にも。アメリカン・スタジオのチップス・モーマンのレーベルから出た二人の自演盤『Cook Me Up your Taste』も大好きだ。


チャーリーの自作も2曲入っているけれど、B-3"When Does A Man Become A Man"とB-5"Dirty Water"はエレキのブルージーかつソウルフルでロッキンなストローク弾き語りっていうのが凄まじく新鮮。"That Lucky Old Sun"の壮大なゴスペル・カバーも聴きモノだ。


レーベルのProphesy Records(配給はATCO)は1973年にジャクソン・シスターズの"I Believe In Miracles"を1976年のタイガー・リリーからのアルバムに先駆けてリリースしてもいる。プロデュースはルイス・マレンスタイン。ヴァン・モリソン『アストラル・ウィークス』『ムーンダンス』を手がけたことでロック史に名を残している。彼が手がけた同じく盲目のSSWターリー・リチャーズも忘れられない。アレンジはグラディス・ナイト&ザ・ピップスなどとの仕事が有名なトニー・カミロ。リック・マロッタなどNYの腕利きも参加している。

ちなみにマーキュリーから1969年にリリースされたファースト『Just Plain Charlie』は冒頭1曲目だけを聴くと一瞬カントリー。ただ、ボーカルの迫力はカントリーの枠に収まらない魅力があり、聴き進めていくと、2枚目の『Tough & Tender』に繋がるロック・ソウル色の強い楽曲も多くある。



ドイツのエピックから1972年にシングル"Memphis Tennessee/That Old American Dream"をリリースしている。ちなみに現役サザン・ロック・バンドであるブラックベリー・スモークのリーダーとは同姓同名だが別人だ。