さて、今日は60年代後半の超良質なサイケデリック・ポップの名盤を。大好きなColoursのファースト『Colours』。Coloursはデレク&ザ・ドミノスのカール・レイドルがいた…と語られることが多いのだけれど、その中心はゲイリー・モンゴメリー&ジャック・ダルトンというソングライター・コンビ。タートルズの”Makin' My Mind Up”なんかを作ったコンビですよ。ダルトン・ボーイズ名義でモータウンでキャッチーなシングルも出している。
で、アルバムを聞いていくと、ポール・マッカートニー+ブライアン・ウィルソンといったら言い過ぎかもしれないけれど、実に器用なソングライティング。ソフトロックとして十分聴けるコーラス。ストリングスやホーンも入って。サージェントな、ビートレスク・サウンドなんだけれど、マネとかじゃなくて筋が良いんですよね。
プロデュースはダニエル(ダニー)・ムーア!(&リチャード・デルヴィー)と聞いて思い出すのは、ダニエルの弟マシューによるバンド・The Moon。このThe Moonも兄ダニエル・ムーアのプロダクションで。ビーチ・ボーイズに途中加入していたギタリストのデヴィッド・マークスも在籍。マシュー・ムーアはビーチ・ボーイズのカリブー・レコードからソロを出していた。で、このThe Moonの1969年のセカンドにもサンクス・クレジットから想像するに、Coloursのゲイリー・モンゴメリー&ジャック・ダルトンが参加している模様。そしてジム・ケルトナーの名前も!マシュー・ムーアのテイストによるせいかThe Moonの方がスワンピーではあるけれど、Coloursと同時代産・親戚筋のポップ・サウンドだと感じられる。でも、それもそのはず。Coloursの1969年のセカンド『Atmosphere』にはデヴィッド・マークスが参加していたのだった。
ちなみにソフトロックのリイシューで有名なNOW SOUNDSより2008年にColoursのファースト&セカンド+ボーナストラック含め28曲入でCD化されている(『Love Heals :The Complete Recordings』)。リマスタリングされた音は結構良かった。