いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Buck Owens

markrock2012-11-27

/ Buck Sings Eagles ( Record Store Day / 2012 )


最近いまさらながらStaxのコンプリート・シングル・コレクション(1959-1968)9枚組を入手して(1991年発売ですが今更…)。ちびちび聴いている。持っている音源も多いのだけれど、発見もある。例えばさっきは初めて聴いたCharmels “Please Uncle Sam (Send Back My Man)”って曲はアイザック・ヘイズ/デヴィッド・ポーターのコンビが手がけた女性グループの曲なんだけど、ローラ・ニーロとしか思えない曲で。1966年だから、こっちが先、なわけで。ローラの黒人音楽のルーツを今更語ることはしないけれど、こんなのもあったのか、とビックリ。


さて、レコード・ストア・デイはご存じでしょうか。言わずもがな、と言う方には失礼…日本事務局のHPによると、趣旨説明として「Chris Brownが発案し、Eric Levin、Michael Kurtz、 Carrie Colliton、Amy Dorfman、Don Van CleaveとBrian Poehnerによって創始された、 全米の700を超え、海外に数百を数えるレコードショップとアーティストが一体となって近所のレコードショップに行き、 CDやアナログレコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する、年に一度の祭典」「 限定盤のアナログレコードやCD、グッズなどがリリースされ、多くのアーティストが全米各地、各国でライブを行ったり ファンと交流する日」とある。いずれにしてもコレ、レコード・ジャンキーにとっては限定盤がやはり魅力、かな。まあただここまで来ると、ブツが欲しいというよりもレコードに愛情を注ぎ、啓蒙に努めようってな運動ならではの心意気に金払っているようなものかもしれない。なんだか愛を感じるのだよね。


最近アメリカのミュージシャンのHPを見ると、ベテランを中心に、アナログのリリースが増えている(ダウンロードやCDに対して「フィジカル」と表記。”ブツ”ってことですな。)のを肌で感じる。やっぱりアナログ時代の豊かさを知っているリスナーやミュージシャンはアナログに落ち着くのかな、という気もしていて。これは若い世代のミュージシャンにも言えるけれど。


さて、そんなわけで、レコード・ストア・デイ、年末商戦ブラック・フライデーの限定リリース。バック・オウェンズのイーグルスのカバー集。4曲入り10インチということで、アートワークも含めて素敵すぎるセレクト。バック・オウェンズはカントリー界ではベイカーズフィールド・サウンド創始者として知られ、ビートルズ時代に”Act Naturally”をカバーしたリンゴ・スターや、バーズのクリス・ヒルマンなど、ロック世代の信奉者も多く、カントリー・ロックとの親和性は申し分ない人。2006年に惜しくも亡くなっている。


ここで選曲されている”Take It Easy”、”Lyin’ Eyes”、”Peaceful Easy Feeling”、”Tequira Sunrise”っていうイーグルスのスタンダードは絶妙の選曲で。ミディアムな正直似たもの同士のカントリー・ロック曲。"Desperado"とかが入っていないのが良い。バックのボーカルも往年のカントリー歌手にありがちなねちっこいコブシはまったくなくて。1970年代のレコーディングのようだけれど、正直こんなレコーディングを残していたとは知らなかった。以前70年代のワーナー時代の2枚組を聴いたとき、パッカー・マッギー(イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー)の”Nights Are Forever Without You”を歌っていたのを聴いて、彼が同時代音楽への目配せをしていたことは確認していた。うん、4曲10分だけど幸せな気分になれる音!