いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Dan Penn

markrock2012-11-12

/ The Fame Recordings ( ace / 2012 )


ダン・ペンのフェイム録音集。買って二度ほど聴いてそのままになっていたけれど、改めて聴いてみるとやっぱり良かった。黒と白の間にいた歌手に昔から興味があるけれど、このダン・ペンなんてたまたま白人に生まれただけで、明らかにソウル・フィールを持っていたんだと確信した。"Skin"なんて曲もあったけれど。


驚くのは24曲中、1965年のシングル"Take Me (Just As I Am)"を除いて未発表テイクである、ということ。こんな音源がまだまだ埋もれているとは。殆どがスプーナ・オールダムとの共作。ただ、いわゆるデモのような試行錯誤的なテイクでもあるから、同時代的なサウンドに色目を使っていることに驚かされる。何しろ、スプーナ・オールダムとのデュオ・ライヴ・レコーディングで初めてダン・ペンに触れたっていう遅れたファンなもので。バリバリ南部のサザン・ソウルばかりを手がけてきたような印象があったけれど、それは単に1970年前後にたどり着いた場所であっただけのようだ。モータウン調だったり、ノーザン・ソウルのテイストだったり、バリー・マン作でアニマルズでヒットした"We Gotta Get Outta This Place"にソックリな曲(これはダンとマーリーン・グリーンの共作)や"My Girl"そのものみたいな曲もあったし。


まあ、なんといってもドニー・フリッツとの共作"Rainbow Road"に"The Puppet(I'm Your Puppet)"、"It Tears Me Up"という代表曲の往時のダン・ペン・ヴァージョンが聴き物かな。"Rainbow Road"はドニーの自演やアーサー・アレキサンダーの噛みしめるようなヴァージョンが印象的だけれど、ここではドリフターズの"Up On The Roof"みたいなアレンジでありまして。"It Tears Me Up"は予想を裏切らない仕上がりで、ベタだけれどイチバン良かった。これだけ聴くと、ダン・ペンの断片…と吐き捨てるほどのデモ集ではないかな。


ちなみにディスク・ユニオン・オリジナル特典で下記のバカでかいポスターが付いてきたけど、このヴィジュアルで誰が飾るんだろう、という珍品!